巨人軍「完全支配」…原辰徳が狙う「ゴジラ松井封じ」の画像
写真はイメージです

 6年ぶりに日本シリーズに進出。ソフトバンクと日本一を争った巨人。ここが、今季限りでの引退を発表した阿部慎之助(40)の最後の舞台となる。巨人が誇る大スターの引退劇――。実は、その背後には驚くことに、ただならぬ“政治力”が働いていたのだという。「阿部の引退は、自分の意思による“勇退”ではなく、“大きな圧力”によるものだった、と噂されているんです」(球界関係者)

 引退会見で、阿部は優勝決定の翌日に原辰徳監督(61)と面談したと明かし、「監督の意向をお聞きして自分も同じことを思った。すごく僕の将来だったりを、僕が思っている以上に原監督が考えてくださった。そこで納得できた」と、引退を決断したいきさつを説明している。前出の球界関係者は、こう語る。「阿部の本心は“来季も現役続行”。そんな阿部を原さんが先回りして呼び出し、説き伏せたというんです。つまり、面談するまで阿部の頭に引退はなかったわけで、“監督の意向”とは、事実上の引退勧告だったということになります」

 しかし、球団の功労者に対し、ただ引退を迫るはずもない。原監督は説得材料として、自らの“後継者の座”を持ち出したという。「現役を希望してはいても、引退時期が近いことは阿部本人も分かっている。そんな状況で“次期監督”のポストが確約されるなら、誰だって将来のほうを優先するでしょう」(球団関係者)

 阿部は、原監督からの指導者への転身の提案を受け、最終的に乗ったという。「阿部は、来季の2軍監督就任。現在、1軍ヘッドコーチは不在なので、これは事実上のナンバー2。重要なポストで英才教育を施すのは、巨人軍監督の王道ルートです」(前同)

 しかし、なぜ原監督は引退を勧告してまで、このタイミングで阿部を「後継者」に据えたのか。「現在の原監督は、チームの人事すべてを司る“全権監督”ですが、次期監督の育成も自らの使命として考えている。原監督の任期は残り2年あまり。一刻も早く、阿部に帝王学を伝授しておきたいという考えなのでは」(元番記者)

 内部事情を知る前出の関係者は、別の見方をする。「そもそも原さんは、前監督の高橋由伸(44)をヘッドコーチに置き、自分の後にまた指揮を執らせるつもりでした。しかし、由伸はこれを辞退。しかも当分、現場に復帰する意思がないようで、代わりに、阿部に白羽の矢を立てたんでしょう」

 ただし、原監督は、阿部の指導者としての資質を高く評価していたようだ。「打撃や守備はもちろんだが、阿部には類まれなリーダーシップがある。その存在感とカリスマ性は由伸もかなわないほどだと、原監督は見ている」(番記者)

  1. 1
  2. 2