『乃木坂46ファースト写真集「乃木坂派」』(双葉社)
※画像は『乃木坂46ファースト写真集「乃木坂派」』(双葉社)より

アイドルの肖像 —— 写真集から考える

第1回 写真論からアイドル写真集を考えてみると?

「オリコン年間BOOKランキング2019」が昨年の暮れに発表された。そこでは、トップ10内の7作を坂道グループが占めていた。まさに写真集市場を席巻中だといえる。現在、写真集は1万部も売れたら大ヒットといわれているような状況にある。

 もはや斜陽メディアと言われても仕方がないのだ。それにもかかわらず、20万部を超えるヒットを飛ばす坂道グループは写真集業界の救世主といっても過言ではない。坂道グループの写真集は売れる。ソロ写真集も売れる。この現状を写真研究者として看過することはできない。

 人気グループなのだから当然のことだという理由だけではない気がする。なぜならネットやテレビでも彼女たちの姿を眼にするチャンスはいくらでもあるのだから。きっとそこには写真集でなければならない理由がおそらくあるはずだ。アイドルと写真集が結びついたときに、いったい何が起こっているか。

 写真研究の専門家からみた、アイドル写真集をめぐる連載がスタートします。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4