伊藤健太郎
伊藤健太郎

 かつて織田裕二(52)と鈴木保奈美(53)の主演で空前のヒットを飛ばしたドラマ『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)。それを2020年にリメイクした『東京ラブストーリー』が現在、FODで第5話まで配信中だ。

 長尾完治を伊藤健太郎(22)、三上健一を清原翔(27)という、今、最も勢いのある俳優が演じるということで、いいところまで持っていってくれるのではないかという期待を込めて見た。

 率直な感想としては、91年版は「都会の選ばれし人たちがするオシャレな恋愛」感がすごかったが、令和版になるだけでこんなに生々しく感じるのか、と驚いた。伊藤は、頑ななほどまじめそうなどんぐり目で、新時代のカンチを作り上げている。織田よりも数倍、幼いたたずまいが、ドラマのセリフにも登場する「レンジで温めているときジッと見続けている」キャラがよく出ていて、カッコイイというより本当にかわいい。

 三上役の清原も、江口洋介(52)より線が細い。だからこそ、逆に三上の弱さや迷い、カンチに対するコンプレックスをヒシヒシと感じる。『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の上条役でも思ったが、憎み切れない憎まれポジションがとてもうまい。これからの芸能界をけん引する俳優の1人だと、あらためて思った。

 そして、意外なほどハマっているのが、関口さとみ役の石井杏奈(21)だ。ガッチリと「ねっとりとした嫌な女の代表」を、キチンと演じている。一番難しい役だと思うが、本当に上手な人なのだなあと感心してしまった。

 ただ1人、とまどいを覚えるのが、赤名リカ役の石橋静河(25)である。演技は自然だし、ポテンシャルは感じる。目力の強い色っぽいルックスは、鈴木保奈美よりも、柴門ふみの原作マンガの赤名リカにも似ている。

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