『半沢直樹』出演・丸一太インタビュー「役者人生は、ジャンケンに負けたことがきっかけ」の画像
丸一太(撮影・弦巻勝)

 今回、TBS日曜劇場『半沢直樹』のパート2に出演することになりました。なにしろ前作の最終回は国民の半分近くが観たドラマですし、続編への期待度は、ものすごい。その一員に僕がなるだけでもプレッシャーなのに、加えて僕の役どころは、半沢と同窓同期の親友。お話をいただいたときは、「いったい誰と間違えてオファーしてくださったんだろう」と、うろたえてしまいました(笑)。

 収録現場は、キャストさんスタッフさんともに「面白いものを作ろう!」という熱量にあふれていました。かといってピリピリしている感じじゃなく、笑顔が絶えない優しい空気が流れていましたね。

 もともと僕は長年、舞台をやっていて、2013年の日曜劇場『ルーズヴェルト・ゲーム』が映像デビュー作。その後も『陸王』や『下町ロケット』など、日曜劇場枠作品に多く出演させていただいてきました。

 今回の『半沢直樹』の堺雅人さんもそうなんですが、日曜劇場は、特に主演を務められる方が本当に素晴らしい。

 確かな演技力をお持ちなのはもちろんのこと、疲れた顔はいっさい見せませんし、スタッフさんや共演者への気配りもとてもこまやか。よい作品を作るために何ができるのかを最優先で考えて、現場を盛り上げてくださるんです。

 だから、周囲もみんな「この人についていこう」と素直に思える。まさに“人間力”ですよね。

 僕の役者人生は、大学生のときに「ジャンケンで負けたこと」がきっかけでした。当時、法学部の3年生だった僕は、特になりたい職業もなく、将来の夢もなく、進路を決めかねていました。そんな中、ゼミで卒論の代わりに、「模擬裁判」の劇をやることになったんですね。そして、役割分担をジャンケンで決めることになり、僕は負けて“演者”になりました。

 ところが、この劇で僕は“演技の面白さ”にすっかり取り憑かれてしまいました。もともとドラマやマンガが好きでしたし、見に来てくれた友達からも“よかったよ”と褒めてもらえた。そこで眠っていた芝居心が目覚めたというか、やっと“なりたいもの”に出会えた気がしたんです。

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