■王会長も警戒する楽天先発陣

 早くもペナント3連覇に当確ランプが灯りそうな巨人だが、日本一奪還には依然として高い壁がある。“宿敵”ソフトバンクの存在だ。

柳田悠岐(32)ら主力以下、選手層の厚さは12球団随一ですが、目立った補強はありませんでした。さらに、合流が遅れているキューバ勢のデスパイネ(34)やグラシアルには、30代半ばとなり、衰えも指摘されています」(パ・リーグ担当記者)

 そこへきて、楽天に田中将大(32)が復帰した。

「日米通算177勝の実績は文句なし。13年には星野仙一監督(故人)の下、楽天を初の日本一に導いた“伝説のエース”ですからね。今や気安く“マー君”と呼ぶのは恐れ多い(笑)。田中投手が期待通りの活躍をしてくれれば、楽天の先発陣は、昨季最多勝の涌井秀章(34)、岸孝之(36)、則本昂大(30)とエースクラスが4人もそろう豪華な陣容となります」(前同)

 ソフトバンクの王貞治会長(80)、工藤公康監督(57)も、田中が復帰した楽天を最も警戒しているという。

「以前のマー君とは違い、30代になって変化球の割合が多くなった。ただ、これは自然な流れ。同年代の菅野も“かわす投球”になってきているしね。といって、直球の威力が落ちたわけではない。打ち崩すのは相当、苦労するだろうね」(王会長)

 江本氏も、田中の復帰をこう評価する。

「涌井、岸、則本とマー君の4人全員が2ケタ勝てたら、そりゃ優勝しますよ。ただ、全員が30代という年齢で体力的には下り坂なため、皮算用は禁物でしょうけどね」

 近年、圧倒的な強さを見せるソフトバンクだけに、楽天が優勝できるという保証はない。ただ、巨人は苦手意識が植えつけられてしまったソフトバンクより、日本シリーズで楽天を相手にするほうが戦いやすいはずだが……。

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