「いいじゃないのぉ~」「ダメよ~ダメダメ」
おそらく、日本中の誰もが耳にしたことがあるやり取りだろう。
橋本小雪と中野聡子の2人のお笑いコンビ『日本エレキテル連合』は、このコント「朱美ちゃんと細貝さん」で2014年に大ブレイク。その年の『新語・流行語大賞」の年間大賞、Yahoo!検索大賞 2014・お笑い芸人部門を受賞し、日本列島にその名を轟かせた。
そして、それから。
2人は何をしてきたのか。何をしているのか。何がしたいのか。
その根本にあるのは、コントに対する深すぎる愛と覚悟だった――。(第3回/全4回)
―爆笑問題さんが好きで、タイタンのオーディションを受けたというお2人ですが、2014年の「朱美ちゃんと細貝さん」のブーム後、仕事が増えた際、爆笑問題さんや先輩に言われたことなどはありますか?
中野「太田さん(太田光)には……。やっぱりしんどくなるじゃないですか。同じものを求められるの。でも、それを察してくださって。“お前らは1個やってるんだからコント。そういう風に消費されても、1個やってたら全然恥ずかしくないんだから”“ちゃんと戻ってくる場所をしっかりしとけば、いろんなことをやってても、変なことをしてても、ちゃんとわかってくれるから“と言っていただいて。けっこう励ましていただきました」
―田中さん(田中裕二)からは何かありましたか?
中野「田中さんは、もういるだけでパワーをくれるので……あまり……なんだろう?」
橋本「でも、楽しんでくれていたような……。“ダメよ~ダメダメ”とか使ってくれて……田中さん、なんて言ってたっけ?」
中野「田中さんはアドバイスとかなさらない。たとえば“初めての前説なんですけどアドバイスありますか”って聞いたら“(田中の声マネで)ない”って(笑)」
橋本「“(田中の声マネで)ない”って言われて、ビックリして。突き放すって感じじゃなくて、本当に“ない”っていう“ない”」
中野「でも、田中さんは面白いときは面白いって言ってくれるので。で、つまらない時は何も言わないのでわかりやすい」
―それはわかりやすいですね。
中野「だから、田中さんの反応で今日はどうだったのか。お客さんが笑ってなくても、田中さんが面白かったって言ってくれたらいいし。田中さんは本当に精神安定剤みたいな」
橋本「いっとき、太田さんが“ダメよ~ダメダメ”という言葉は俺が作った、ってウソついてたことがあったよね。 “俺が考えたんだ”ってラジオとかで言ってたと思います」