日本、アメリカ、イギリス、フランス、アイルランド、ドイツ、オーストラリア、アルゼンチン、香港、南アフリカの加盟代表12名で構成されるIFHA(国際競馬統括機関連盟)が、2021年のG1世界トップ100を発表しました。
ベスト10入りした日本のG1競走は、4位天皇賞(秋)、8位有馬記念、10位大阪杯の3競走。これはイギリスと並んで最多で、他にも、ジャパンカップ(12位)、東京優駿(20位)、宝塚記念(20位)など、計11競走がランクイン。まだまだ上には上がありますが、それでも、ちょっとだけ誇らしい気持ちになりました。
1位はフランスの凱旋門賞。2位はアメリカのブリーダーズカップクラシック。3位はイギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス……。世界中のホースマンが、その舞台に立つことを目標にし、研鑽を重ね、勝利をつかみ取りたいと願っているレースばかりです。
もちろん、それは僕も同じです。いつか必ず……。その気持ちを忘れたことはありません。そのためにも、大切なのは日々の積み重ね、目の前にある一つ一つのレースに、全力を尽くすことです。
勝ち切るまではいきませんでしたが、ヘリオスとともに挑んだG3根岸ステークスも、全力を出し切った、いいレースだったと思います。逃げる競馬でオープン特別を連勝していたので、今回も逃げるのでは? と思っていた方もいたと思います。しかし、僕は最初から、ハナにこだわる気持ちはありませんでした。
今後のことを考えたら、控える競馬も覚える必要があるし、追い切りの走りから、それができる馬だという確かな手応えも感じていました。不安があるとすれば、一度も根岸ステークスを勝ったことがない(12戦0勝)ジョッキーくらいです(笑)。
レースは、ほぼ思い描いていた通りに運びました。4枠7番から、4番手の内側をキープ。折り合いもスムーズで、距離のロスもなく最後の直線へ。最後は勝った馬にかわされてしまいましたが、ヘリオスの脚も最後まで止まることはありませんでした。
結果は惜しい2着。でも、間違いなく次につながる2着です。
勝っても、負けても、その馬にとってベストな騎乗を――。今週末も同じ気持ちで挑みます。応援、よろしくお願いします。
「武豊 人生に役立つ勝負師の作法」最新記事