まだ寒さが残る、この季節。冷えた体を温めようと、つい手が伸びるのが自動販売機の「ホット缶飲料」。130円程度で買える“ぬくもり”だが、コロナ禍の最近は、単に暖を取る以上の意味があるという。
「平熱が1度上がると、免疫力も約30%上昇しますので、飲んで体を温めるホット飲料は、免疫力維持の強い味方なんです」
こう語るのは、東京都『イシハラクリニック』の副院長で、内科医の石原新菜氏。さらに、“何を飲むか”で効能も変わってくるという。
「今は自動販売機の商品ラインナップが充実しています。栄養満点な商品を選ぶことができれば、効果的に免疫力アップが見込めます」(石原氏=以下同)
まず、代謝を向上させる飲み物の缶飲料は、「甘酒」「ココア」「生姜豆乳スープ」だという。
「甘酒は発酵食品なので代謝を向上させるうえ、“飲む点滴”とも称されるほど栄養価が高い。また、ココアにはカカオポリフェノール、生姜豆乳にはジンゲロールが含まれていて、どちらも血流を良くしてくれます」
風邪などの感染症予防には「紅茶」が最適だ。
「紅茶の“紅茶ポリフェノール”は、約15秒でインフルエンザウイルスを無力化することが明らかになっています。マメに飲むだけで予防になりますが、牛乳のタンパク質が入ると働きが弱くなるので、ストレートティーがオススメです」
同様に「緑茶」に含まれるカテキンにも、抗菌・抗ウイルス作用があるそうだ。
高血圧などの生活習慣病が気になる人は「みそ汁」と「おしるこ」を飲みたい。
「みその成分、メラノイジンには抗酸化作用があり、血管の老化を防ぐ働きがあります。また、みそは善玉菌も豊富なので、腸内環境の改善も期待できますね」
おしるこには、血液をサラサラにし、血糖値や血圧を下げる効果のあるアントシアニンが含まれるという。
近頃、ブームとなっている“本格派スープ飲料”にも要注目だとか。
「『カレー』は多様なスパイスが胃腸の働きを促進してくれますし、『参鶏湯』は薬膳食なので疲労回復が期待できます。定番の『コーンスープ』も、スープのとろみによって、おなかの中でも温かさが持続し、さらなる免疫力向上が見込めます」
アツアツのホット缶で、冬を健康に乗り切ろう!