競馬の世界には、3つの大きな区切りとなる日があります。

 1つは、皆さんと同じ元日、1月1日。この日から、一つでも多くの勝ち星を目指したリーディング争いなどが始まります。

 2つ目は“ダービーに始まり、ダービーに終わる”という言葉があるように、ダービーを境にまた、新たな1年がスタートします。

 そして3つ目――調教師の先生が卒業を迎える今の時期です。

 難しい試験を突破し、国家資格であるJRAの調教師免許を取得された先生の定年は70歳。今年もまた、栗東で1人、美浦で6人、合わせて7人の先生との別れがありました。

 栗東の浅見秀一先生は、僕が子どもの頃からお世話になった大恩人、浅見国一先生の息子さんで、秀一先生にも公私にわたって、お世話になりました。

 兄弟子、河内洋さんとのコンビで勝ち取った天皇賞(春)のメジロブライト(98年)。弟・幸四郎とのタッグで頂点に上り詰めたソングオブウインドでの菊花賞制覇(06年)。小牧太騎手に涙のJRA初G1をプレゼントした桜花賞のレジネッタ(08年)……先生が残した魂は、後に続くものが受け継いでいきます。浅見先生、本当にお疲れ様でした。

 美浦で卒業されたのは、獣医師から調教師になられた古賀史生先生と、NHKマイル(96年)のウィナーホース、タイキフォーチュンを育てた高橋祥泰先生。

 僕も一度だけ、乗せていただいたことがあるヴィクトリアマイル(12年)の優勝馬、ホエールキャプチャを管理された田中清隆先生に、開業2年目(89年)に、ドクタースパートで皐月賞を手にした柄崎孝先生。そして、もう一人……。誰もが認める名伯楽、藤沢和雄がターフを後にしました。

 シンボリクリスエスと挑んだ2002年の青葉賞。ダンスインザムードとの桜花賞( 04 年)。全25戦中、8戦で手綱を取った思い入れのある馬です。海を越えて挑戦した英G1インターナショナルS(05年)のゼンノロブロイ……。思い起こすと、次々に、藤沢先生と一緒に挑戦したシーンが浮かんできます。

 早い時期から海外に目を向け、常に、1歩、2歩、3歩先を走り続けてこられた先生でした。藤沢先生、これからも日本の競馬を見守っていてください。

 今週は、春のクラシックに向けた大一番へ。6日、ディープインパクト記念弥生賞は、朝日杯FSを勝った2歳王者、大本命馬のドウデュースで出陣です。

 枠順や当日の天候、馬場状態など、気にならないと言えば嘘になりますが、それ以上に楽しみが多くて、ワクワクが止まりません。

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