去るものあれば、来たるものあり――。
栗東の浅見秀一先生、美浦の古賀史生先生、高橋祥泰先生、田中清隆先生、藤沢和雄先生が卒業された競馬界に、新しい仲間が加わりました。
競馬学校を卒業し、騎手免許を交付されたのは、今村聖奈騎手、大久保友雅騎手、川端海翼騎手、佐々木大輔騎手、土田真翔騎手、角田大河騎手、西塚洸二騎手、水沼元輝騎手、鷲頭虎太騎手の9人。今村騎手は、藤田菜七子騎手、古川奈穂騎手、永島まなみ騎手に続く4人目の女性騎手です。
6年前、藤田菜七子騎手がデビューしたときは、連日、テレビや新聞に取り上げられ、かなり戸惑ったと思いますが、彼女の頑張りが今日に続いているという証です。女性騎手がいるのが当たり前の風景になってきたのは、騎手会にとってもいいことです。
これで9人。さらに今年は、もう一人、異色の新人が仲間に加わります。
小牧加矢太騎手、25歳。小牧太騎手の息子です。中学時に身長が30センチも伸びたことで減量に苦しみ、競馬学校の門は開きませんでしたが、馬術の世界に飛び込み、20年の全日本障害飛越選手権で優勝。今年、体重が55キロ以下であれば合格できる障害専門で受験し、見事、合格を果たしました。
一緒のレースに乗ることはありませんが、同じ騎手の仲間として、小牧加矢太騎手を歓迎します。
騎手だけではありません。今年、新たに開業する調教師の先生もいらっしゃいます。栗東では、小崎厩舎で助手を務め、昨年、調教師試験に合格した中村直也先生が開業。美浦では、堀内岳志先生、騎手仲間だった嘉藤貴之先生、西田雄一郎先生と、もう一人……同期のエビちゃん(蛯名正義)が、第2の人生に向けて大きく船を漕ぎ出しました。
騎手を辞め、調教師を目指すと聞いたときは、寂しさも感じましたが、コツコツ努力し、調教師試験に合格。昨年1年間は、藤沢和雄厩舎で研修し、満を持しての調教師デビューです。
――いつの日か、蛯名正義厩舎の馬で凱旋門賞へ。
お互いに切磋琢磨の毎日。その日が来るまで、僕も負けてはいられません。まずは、今週末の競馬に全力で挑みます。
日曜メインは、阪神で行われるG2フィーリーズレビュー。パートナーは、ディープインパクト産駒のマイシンフォニーです。
このレース、彼女にとっては、初の重賞挑戦、1400メートル……と、未知との戦いになります。目指すは、桜花賞の切符を手にできる3着以内。その力は十分にあります。
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