今年もまた、この季節がやってきました。3歳牝馬クラシックレースの第1弾、G1桜花賞――本格的な春競馬のスタートです。

 初めて僕がこのレースを勝ったのはデビュー3年目の1989年で、パートナーは、シャダイカグラ。……意図的に出遅れたのか? それとも、ただの出遅れだったのか!? 気がついたときには、本当のことを言いづらくなっていた、あの伝説のレースです(笑)。

 2度目のパートナーは、93年。トニービン産駒のベガで、翌94年に、オグリローマンで桜花賞を連覇。4度目は、〝胡蝶蘭〟ファレノプシス(98年)で、5度目の制覇を成し遂げた2004年のパートナーは、ダンスインザムードです。父・サンデーサイレンス、母・ダンシングキイ。同じ両親から生まれたダンスインザダーク、ダンスパートナーとコンビを組んでいた僕としては、一度は乗ってみたいと思っていた馬でした。

 ところが、入厩したのは、栗東ではなく美浦の藤沢和雄厩舎……。日本国内では、どちらかというとライバルに近い先生ですから、O・ペリエ騎手が手綱を取ったデビュー戦、岡部幸雄騎手が乗った2戦目、若竹賞のレースを羨望の眼差しで見ているしかありませんでした。

 だから、藤沢先生から、前哨戦のフラワーCでの騎乗依頼をいただいたとき、思わず「えっ!?」と驚きの声を上げてしまったのを思い出します。

 最低限の仕事は、桜花賞への出走権を得る2着以内。でも、もっと高いところに目標を置いて臨んだレースできっちりと勝ち切り、レース後、藤沢先生から、「桜花賞も頼むよ」と、正式に騎乗依頼をいただけたときは、ホッとすると同時に、使命感を感じました。

 本番、桜花賞の走りは、完璧だったと思います。ひと言で表現すると、「ホンマ、強かった!」です(笑)。

 翌日のスポーツ紙に、僕が藤沢先生にクラシックのタイトルをプレゼントした、という記事がありましたが、それは逆です。プレゼントしていただいたのは僕のほう。改めて、藤沢先生のすごさを実感させられました。

 6度目のVを狙う今年、僕のパートナーを務めてくれるのは、武幸四郎厩舎期待の星、シルバーステート産駒のウォーターナビレラです。

 昨年8月、札幌で行われた2歳新馬で初出走、初勝利。続く、サフラン賞を連勝し、3戦目、G3ファンタジーSで重賞ウィナーの仲間入り。G1阪神JFはあと一歩届かず3着。前走、チューリップ賞(5着)では、桜花賞に向けて、新しいレースをしてみましたが、馬群の中でも、ひるむことも、力むこともなく、最後まで彼女らしい走りを見せてくれました。

 弟・幸四郎との兄弟タッグで挑む、G1への夢……。僕ら兄弟を産んで、育ててくれた母への感謝、そして亡き父へ、いい報告ができるように、今週も全力騎乗で頑張ります。

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