桜吹雪が舞う4月の第1週に行われた2つの重賞競走。ニュージーランドTと桜花賞は、結果こそ明暗が分かれましたが、どちらも、頭の中で思い描いていた最高のレースをすることができました。

 最初は土曜、中山で行われたG2ニュージーランドTです。このレースで僕のパートナーを務めてくれたのは、昨年8月に馬主デビューを果たしたサイバーエージェントの社長……というより、“ウマ娘”のと言ったほうが分かりやすいですね。その藤田晋オーナーの愛馬、ジャングロです。

 6枠6番からポンと飛び出したジャングロは、そのまま先頭へ。最後の直線で、いったん前に出られながら、そこから差し返すあたり、力をつけている証拠です。今回、1600メートルの距離をこなしてくれたことで、次のターゲットは当然、G1のNHKマイルCになります。

――この勝利で、優勝候補筆頭に躍り出た? そうですね。もう少しだけでいいので、ペースに幅が出るようなら、大きな勲章に手が届きそうです。それにしても昨年8月に馬主としてスタートを切り、わずか8か月で重賞を制覇するなんて、まるでゲームの世界。ちょっと出来すぎですよね(笑)。

 翌日、気持ちを切り替えて臨んだウォーターナビレラとの桜花賞は、ニュージーランドTを上回る、ほぼ完璧といっていいレースをすることができました。

 好スタートから2番手を追走。直線半ばでGOサインを送ったときの反応、爆発力は、GⅠのタイトルを獲ってもおかしくないものでした。

――この日を目指して、この日のために、やれることは、すべてやってきた。レース後、弟の幸四郎(武幸四郎調教師)が、きちんと顔を上げ、前を向いて話していたように、この日のウォーターナビレラは、状態もこれまでで一番良かったし、返し馬、ゲート、ペースと、すべてが思い通り。結果は、ハナ差の2着と涙をのみましたが、悔いのないレースでした。

 ニュージーランドTと桜花賞、どちらも最高のレースをした結果の1着と2着。これも競馬の不可思議なところだし、難しさ、面白さです。今はただ、頑張った2頭、ジャングロとウォーターナビレラに、“ありがとう”という言葉をかけてあげたいと思います。喜びも、悔しさも、この原稿を書いている今日が最後。明日から、また新しい競馬が始まります。

 4月24日は、オークストライアル、G2フローラSが、僕とマイシンフォニーを待っています。前走のフィリーズRは、3角、4角で、ややスムーズさを欠いたのが最後まで響き4着。もったいない競馬になってしまいました。

 どんなに頑張っても、乗り越えられない壁もあるのが、勝負の世界です。でも、絶対に乗り越えられると信じで挑むのもまた、勝負の世界の鉄則です。

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