競馬を愛するすべての人が、一年で一番、ドキドキ、ワクワクする一日……。今年もまた、日本ダービーがやって来ました。

――日本ダービーと他のレースでは、何が違うんやろう? と、考えたことがあります。勝ちたいと思うのは、どのレースも同じ。勝てばうれしいし、負ければ悔しいのも一緒。

 でも、しかし。やっぱり、日本ダービーだけは特別です。

 3歳馬の頂点を決めるレース。競馬の祭典。日本最高峰のレース……。日本ダービーを言い表す、いくつかの言葉がありますが、すべて、その通りです。その通りですが、でも、まだ、何か一つ、足りないような気もします。

 日本ダービーの最も古い記憶は、僕が3歳のときのものです。ロングエースに騎乗した父・武邦彦が、日本ダービーを初制覇。ふだんは無口な父が、妙にうれしそうに笑っている……。それが、最初です。

――いつか、ダービージョッキーと呼ばれたい。先頭でゴールする光景を頭に思い浮かべるようになったのは、ジョッキーになりたいと思い始めた頃です。

 エビちゃん(蛯名正義調教師、元騎手)と、「2人そろって、日本ダービーに出よう」という夢を語り合ったのは競馬学校時代でした。

 夢が実現したのは、デビュー5年目。シャコーグレイドとコンビを組んだエビちゃんは8着。シンホリスキーとのコンビで挑んだ僕は19着。一つの夢はかないましたが、その先、ダービージョッキーの称号は、はるか遠い存在でした。

 先日、そのエビちゃんとのタッグで挑んだレースで、逃げ切り勝ち。3月に開業した蛯名正義厩舎に2勝目をプレゼントすることができました。

 平場での1勝。でも、僕にとっても、エビちゃんにとっても、まるで重賞レースのような大きな拍手と歓声をくださったファンの人にとっても、ただの1勝ではありませんでした。その先の、いつか、かなえたい日本ダービーへの道……。ダービートレーナー、ダービージョッキーへと続く、新しい夢の始まりです。

 これまで、僕が日本ダービーを制したのは5度。6度目の戴冠を狙う今年のパートナーは、2歳王者のドウデュースです。

 前走、皐月賞は、後方2番手からの競馬を選択。ペースが思うように上がらず、結果として、少し後ろすぎましたが、それも含め、すべては結果論。同じメンバーで、同じ条件でレースをしたら、違う結果になるのが競馬の面白さであり、難しさです。

 スペシャルウィークも、アドマイヤベガも、皐月賞の負けを糧に大輪の花を咲かせました。

 目標であり、夢であり、僕のすべてと言っても過言ではない日本ダービー……。今年は、5月29日15時40分に、そのゲートが開きます。皆さん、日本ダービーを楽しんでください。

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