10月8〜10日は、JRA今年最後の3日間競馬でした。フランスから帰ってきた僕は、土・日は阪神で騎乗し、月曜は交流G1マイルチャンピオンシップ南部杯が行われた盛岡競馬に参戦しました。

 阪神競馬2日間の成績は、8鞍に騎乗して2勝。2つの白星は、どちらも森秀行厩舎の所属馬で、2歳新馬のエコロアレスと、三田特別(2勝クラス)に出走したセントウルです。

 どちらも完勝でしたが、2着に5馬身の差をつけたエコロアレスは、スピードもさることながら、とにかく素直な馬。クセモノぞろいで名を馳せる森厩舎っぽくない馬です(笑)。

 森先生とのおつきあいは、戸山厩舎で調教助手をされていた頃からなので、かれこれ30年以上。とにかく革新的で、誰も考えなかったことに挑戦し続けるハートの強さには、尊敬の念を覚えます。

 無謀といわれたスキーキャプテンでのケンタッキーダービー挑戦。結果は14 着でしたが、これが、日本調教馬として初のヨーロッパのG1制覇という快挙につながったのは間違いありません。

 その歴史に名を刻んだのが、森厩舎のシーキングザパール。フランスG1、モーリス・ド・ゲスト賞。勝利ジョッキーは、この僕、武豊でした。

 イギリスの競馬誌に、「日本の牝馬が歴史を作る」と大きく報じられた、フランスG1アベイ・ド・ロンシャン賞と、イギリスG1ジュライカップ。2つの大きな勲章を手にしたアグネスワールドも、森厩舎の所属馬。

 サウジアラビアで日本馬初勝利を挙げたフルフラット。カタールの競馬に初参戦したユウチェンジ、アメリカのG1ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルに、2歳で挑んだジャスパーグレイトも、森厩舎の皆さんが育てた馬たちです。

 失敗を恐れず、挑戦する心を持ち続ける――。それを実践している森先生は、すごい調教師です。

 3日間競馬の締めくくり、ヘリオスをパートナーに挑んだ南部杯は、最後の直線で粘りに粘って、「勝てるはずだ……」と思ったその瞬間、最後の最後に、勝利が手のひらからこぼれ落ちてしまいました。

 悔しいけど、これも競馬です。この負けを次に生かせるように気持ちを切り替えて頑張るしかありません。

 ということで、最後は今週の騎乗馬についてです。

 10月23日は、阪神競馬場で、三冠レース、最後の一冠となるG1菊花賞が行われます。

 パートナーは、千田輝彦厩舎のヤマニンゼスト。穴になると思いますが、前走、神戸新聞杯で、12番人気を跳ね返し(2着)、権利を獲得したように、最後の最後まで何が起こるか分からないのが競馬です。楽しみにしていてください。

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