関西に生息するアヤシくてオモロい人たちに、大阪出身・京都在住の人気ライター・吉村智樹が直撃インタビュー!
■普通の会社員が大阪に開業!話題の爬虫類ショップとは!?
「爬虫類をペットにしてみたい」。そう考えた経験はないだろうか。しかし、なかなか行動に移せないものだ。
「値段の相場が分からない」「どうやって飼育すればいいのか知らなすぎる」。さまざまな理由で爬虫類を飼うのを躊躇してしまう。
「“初心者向けの爬虫類専門店”って意外とないんです。うちは爬虫類を飼った経験がない方にもお勧めできる、育てやすい種目を手頃な価格で提供しています」
肩にイグアナを乗せながらそう語るのは、2021年6月に大阪の門真に誕生した爬虫類ショップ「OKAHAKO」を営む、ふーじーさん(36)。
店内は明るく清潔。マニアックな印象がない。心配なのは値段だが、5000円台からそろっており財布に優しい。なにより、ふーじーさんが爽やかなキャラクターなので、話しかけやすいのが助かる。
「この店を始める前は20年以上、接客の仕事をしていました。お客さんとの対応なら、他の店には負けないつもりです」
■リモートワークが開業のきっかけに!
実は、このオカハコには、他店にはない二つの大きな特色がある。一つは、店内でラジオ番組『一般人ふーじーのきのうはひとりでした』(エフエムひめ)を収録していること。
爬虫類に囲まれながら、おしゃべりするラジオ番組なんて前代未聞だ。トークの内容はけっして爬虫類一辺倒ではないが、「爬虫類って、なんとなく怖い」という印象を払拭する効果を発揮できているという。
二つめは、実は店主の彼、まったく爬虫類と関係がない会社に勤めるサラリーマンなのである。
「2021年、コロナ禍による緊急事態宣言の影響で、会社の業務がストップしてしまいました。しかたがなく、会社の許可を得て爬虫類の店を兼業することにしたんです。会社の仕事がリモートワークだからこそ、実現できました」
あるときはラジオパーソナリティ、また、あるときはサラリーマン。カメレオンのように変幻自在に色を変えながら、爬虫類ライフを謳歌しているのだ。
爬虫類に関心を抱いたのは8年前。行きつけのバーのマスターが爬虫類のブリーダーをしており、小指ほどのサイズだった『ブラックラットスネーク』を、もらったのがきっかけだ。
「おとなしくて懐いてくる様子がかわいくて、やがてトカゲやヤモリも飼うようになり、最盛期には30匹が家にいたんです」
そうして、ついに第一種動物取扱業に登録。会社員と爬虫類専門店の兼業がスタートしたのである。
「爬虫類の魅力はカッコよさと、犬や猫にはない非日常感ですね」
リモートワークの浸透により、これまで非日常だった会社員と自営業の二足のわらじが可能になった昨今。旧来の滅私奉公的な働き方から“脱皮”する時代が来ているのだろう。
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