馬主さん、牧場関係者の皆さん、マスコミ、調教師の先生、そして僕らジョッキー……日本の競馬関係者全員が一堂に介した、国内最大のサラブレッド市場『セレクトセール2023』が、今年も北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われ、大きなにぎわいを見せました。
ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライといった大種牡馬なき後、主役となる種牡馬は、どの馬になるのか!?
大注目の2日間、初日1歳馬のセッションで主役に躍り出たのは、昨年の年度代表馬イクイノックスを輩出したキタサンブラック。2日目、当歳馬セッションは今年の産駒が初年度となる、コントレイルです。
最高額5億2000万円でコンヴィクション2の2023(牡)を落札した、ノースヒルズの前田幸治代表の粋な計らいで、同馬は来年開業する福永祐一厩舎に入厩することになりました。福永先生からチャンスをいただけるようなら、ぜひ、乗ってみたい馬です。
――ファンあっての競馬 競馬に携わるものなら誰もが、それを感じています。と同時に、一度も走っていない馬にお金と愛情を注ぎ、手綱を預けてくださる馬主さんがあって、初めて成り立つ世界でもあります。
ファンと馬主さん、その両方の思いに応えるためにジョッキーにできるのは、常にベストを尽くすこと。改めて強く感じました。
函館開催のラストウィーク7月16 日のメインレースG3函館記念。僕は21年の千葉サラブレッドセールで4億7010万円という高額で落札されたドーブネに跨ってゲート入り。4コーナーまでは、ほぼ理想とする形でレースを進めることができました。
最後1ハロンでバッタリ止まってしまったのは……重に近い稍重だった馬場の影響か、それとも距離なのか。そこを見極めて、また、次に挑みたいと思います。
ベストは尽くしたものの、不甲斐ない結果に終わった僕の代わりに、福島のメイン、福島テレビオープンでみんなをアッと言わせたのが、ヨシトミ先輩(柴田善臣)と、兄貴と呼んでもいい石橋守調教師の競馬学校1期生コンビです。“やられちゃったなぁ”というか、“かなわないなぁ”というか(苦笑)。2人には、たくさんの元気をいただきました。その元気を7月最終週、29、30日の競馬にぶつけます。
競馬も暦も、本格的な夏シーズンに突入。来年のクラシックを目指す2歳馬たちのレースも、さらにヒートアップしていきます。
29日は、デビュー戦3着に終わったソダシの半弟、白毛馬のカルパが挑む2歳未勝利戦からスタートです。同29日には、英ダービー馬の血を受け継ぐ、新馬戦に挑むアークドールの騎乗依頼をいただきました。
翌30日には、同じく2歳新馬戦でデビューする四位洋文厩舎、ハーツクライ産駒のドウアドバンテージも控えていますし、ホットな2日間になりそうです。
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