「関西で話題のサウナ漫画!」Mr.Skyさん(61)ゆるリーマンさん(29)「サウナの魅力を伝えるユニットの巻」珍談案内人・吉村智樹のこの人、どエライことになってます!の画像
『サウPの日常』

 関西に生息するアヤシくてオモロい人たちに、大阪出身・京都在住の人気ライター・吉村智樹が直撃インタビュー!

■サウナでつながる年の差ユニット世代を超えた友情の秘密とは?

 サウナを愛する人々を「サウP」(サウナピープル)と呼ぶのだそうだ。そんなサウPたちの日々を漫画化した『サウPの日常』がインスタグラムやX(旧ツイッター)で配信され、話題となっている。

 主人公は30代の、ごく一般的なサラリーマン。高級サウナよりも銭湯に併設されたサウナを好む庶民派だ。

 そんな彼がサウナルームに流れる有線放送に合わせ、つい大声で歌ってしまったり、熱くて、もう限界なのにサウナ内で放映されているテレビ番組の続きが気になって出られなくなったり。

 サウナピープルなら思い当たる「あるある」が多々あり、思わず「ぷっ」と吹き出してしまう。このごろは「サウPキーホルダー」など、グッズが銭湯で販売されるほどの人気だ。

 作者はグラフィックデザイナーのMr.Skyさん(61)と、ウェブマーケティングの会社に勤める「ゆるリーマン」さん( 29 )による二人組。なんと年齢差32歳という、親子ほど年が離れたユニットなのだ。

Mr.Sky「ゆるリーマン君が話すサウナでの面白いエピソードを基にして、漫画を描いています。自分も、以前に住んでいた街に銭湯が多くあり、備えつけのサウナをよく利用しました。だから、彼とは世代を超えて気が合ったんです」

ゆるリーマン「サウナが大好きで、仕事が終わると毎日、サウナつき銭湯へ通っています。土・日の休日は足を延ばして、遠方のサウナへ出かけているんです」『サウPの日常』のプロデュースをする、ゆるリーマン氏が「サウP」になったきっかけは、前職の広告代理店で東京へ異動となった時分に立ち寄った銭湯だった。

■若者の新しい感覚とベテランの味が合体

ゆるリーマン「仕事で“しんどいな”“疲れたな”と感じる時期があり、その頃に銭湯で【温冷交代浴】を経験しました。すると、心が軽くなり、癒やされたんです。今の流行語で言う“整う”(血流がよくなり、酸素が脳を駆け巡って深いリラックス状態になること)ですね。それから銭湯に夢中になり、気づいたらサウナつき銭湯を探して毎日どこかへ行く生活が始まりました」

 サウナブームが本格化する以前から「整う」を経験し、仕事へのやる気が再び湧いてきたという、ゆるリーマン氏。仕事を通じて親しくなったMr.Sky氏に、「サウナの魅力を、もっと広く伝えたい。そのために漫画にできませんか」と相談を持ちかけた。

Mr.Sky「若い彼ならではの新しい感覚と、私たち年いったもんの経験とスキルを合体させれば、過去にない漫画ができるんやないかと思って、引き受けました」

 そうして20代プロデューサーのホットな思いと、ベテランデザイナーのクールな判断が絶妙に整った、まさに「温冷交代浴漫画」とも呼ぶべきサウナコミックが誕生した。

 実在する関西の銭湯も多数登場する、この『サウPの日常』、今、最も単行本の発汗、いや発刊が待たれる作品なのだ。

よしむら・ともき「関西ネタ」を取材しまくるフリーライター&放送作家。路上観察歴30年。オモロイ物、ヘンな物や話には目がない。著書に『VOW やねん』(宝島社)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)など

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