国内と海外、思わずしびれるようなカッコいい2つのスピーチを耳にして、がぜん、僕のやる気も膨れあがっています。
国内は、初騎乗から50年、記念の日を迎えた先輩、的場文男騎手が、セレモニーを一目見ようと集まったファンの前で放った言葉。
「ここまでやって来られたのは、ファンの皆さんの応援があってのこと」と話した後に、「体の続く限り、7500勝を目指して頑張りたい」と、夢のような数字を掲げました。
的場さんから見たら、僕もひよっこ。まだまだ、これからです。
海外から飛び込んできたのは、今年をラストイヤーにすると宣言していたフランキー(ランフランコ・デットーリ)の引退撤回です。
最後と位置付けた今年、ビッグレースをいくつも制覇し、“まだやれる”という姿を見せつけていただけに、願望も含め来年も乗るんじゃないかと思いましたが、やはり引退を撤回。そのときの言葉が、「まだ諦める準備ができていない」というものです。
ちょっと、カッコよすぎますよね(笑)。
フランキーの伝説は、これで終わりではありません。
「これが最後のアスコット」と言って臨んだイギリスのG1チャンピオンSでキングオブスティールとコンビを組み、最後方から直線一気の競馬でⅤ。“フランキー・コール”を全身に浴びながら、馬上で、「What a day!(なんて日だ!)」と雄叫び。顔をくしゃくしゃにしていました。
来年は、アメリカの西海岸サンタアニタに主戦場を移すとのことなので、「また一緒に乗りたい」という僕の夢もかないそうです。いや、かなえます。
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