緑の絨毯に舞い落ちる桜吹雪を見た後は、いよいよ春本番……と言いたいところですが、温暖化の影響なのか、最近は、どんどん春が短くなっているような気がします。

 スタンドを見上げると、半袖姿でビール片手に競馬を楽しんでいるファンの姿も、ちらほらと見かけるようになりました。

 20代、30代の頃は、全身、汗みどろになりながら騎乗するのが当たり前で、むしろ、「暑いのは好きです」と口にしていましたが、さすがに、ここ数年の酷暑は体に堪えます。

 でも、人間以上に大変なのがサラブレッド。中には、暑いほうが走るという馬もいますが、基本は、サラブレッドは寒いくらいのほうが能力を発揮する生き物です。

 驚かれる人もいると思いますが、昨年8月には、2022年の菊花賞馬アスクビクターモアが、放牧先で熱中症による多臓器不全で亡くなるという悲しい出来事がありました。

 JRAでは、馬の負担を少しでも軽減するために、シャワーやミストを設置。他にも、パドックの周回時間を短縮し、装鞍所への集合時間を短くし、馬房にクーラーを設置するなど、さまざまな対策を取ってきました。

 これに加えて今年、酷暑対策として打ち出したのが、競馬番組の変更です。

 7月27日から8月4日の開催は、新潟と札幌の2場開催とし、新潟は気温の高い時間帯の競馬を休止。

 11時35分発走の5R終了後に休みを設け、準メインの6Rを15時10分、メインレースとなる7Rを15時45分。最終12Rは18時25分発走の薄暮開催になります。

 6月29日から7月21日まで開催される小倉と福島は、これまでと同じで大丈夫なのか? 8月10日以降も続く新潟は?

 さまざまな意見はあると思いますが、まずは、やってみる。やってみて、いろんな角度から検証をし、さらに改良を加えていくというのが、馬のためには大事なことだと思います。

7馬身もちぎったウオッカの衝撃!

 どこに行っても、人、人、人で賑わったゴールデンウィークも終わり、5月26日の日本ダービーに向けて、栗東、美浦の両トレセンも、ピリピリしたムードが高まり、緊張感に包まれていきます。

 そんな中で行われる今週末の重賞競走は、5月11日がG2京王杯スプリングCで、12日がG1ヴィクトリアマイルです。

 京王杯スプリングCは、これまで3勝。1度目はオーナーが吉田照哉さんで、スキーパラダイス。2度目は、チーム・ゴドルフィンのハートレイク。3度目が、吉田照哉さんがオーナーで、藤沢和雄厩舎のスティンガー。

 僕にとっても、思い出深い馬たちばかりです。

 ヴィクトリアマイルの勝利は、ウオッカの1度だけですが、後続を7馬身もちぎった強烈な走りは、今でも、はっきりと、鮮明に頭の中に残っています。

 今年は、どんなレースになるのか。考えただけでワクワクしてきます。

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