2月20日に心筋梗塞で倒れ、危篤状態で入院していた歌手の安西マリアが、3月15日夜、心不全のため都内の病院で死去した。
60歳だった。

1973年、デビュー曲『涙の太陽』が大ヒット。
抜群のスタイルを活かし、雑誌などのグラビアでも活躍した。

その後、芸能活動を一時中断したが、1999年から再開。
ライブハウスでのステージやディナーショーにも出演し、2006年にはアルバムも発表した。

昨年11月には還暦を迎える記念にヌード写真集『安西マリア写真集60~MariaSixty~』(双葉社)を発売し、若々しい体が話題となった。

実は、倒れる数カ月前から体調には徐々に異変が表れていたという。

安西を長年撮影し続けてきたカメラマンは、こう語る。
「今年の1月頃、写真集の打ち上げをしたんだけど、その最中、いきなり顔面蒼白になったんだ。冷や汗もすごかったし、周りはかなり心配したよ」

安西自身も、体の不調には気づいていたのかもしれない。
しかし、ステージを愛した彼女は、毎週木曜日に行うライブを、決して休むことがなかった。

開催場所であったライブハウスのオーナーは、安西との思い出をこう振り返る。
「オールディーズが好きで、『恋の片道切符』とかコニー・フランシスの曲とか、ライブでもよく歌ってたよ。カラオケも好きで、矢沢永吉の『MARIA』は"私の歌よ"と言って、特にお気に入りだった。酒はヘネシーの炭酸割りが"いつもの"。ステージが終わって、深夜2時くらいまで、うちの店で飲んだら、次は男の子のいる店で朝の7時くらいまで飲むのがお決まり。律儀な性格だから、人に呼ばれれば、何軒目だろうが、朝だろうが飲みに駆けつける。根はマジメなんだ」

また、遺作となった前出の写真集の撮影現場では、還暦間近にもかかわらず"肉食"な一面を覗かせた。

「行きつけのバーに、狙っている男性がいるらしく、メイク中はずっと恋愛相談で盛り上がっていました。その彼は37~38歳くらいで、"恋愛の可能性ってあると思う?"と、周りのスタッフに楽しそうに聞いていましたよ」(撮影スタッフ)

写真集では、60歳とは思えない、見事にくびれたボディラインを披露。

「ギラギラ太陽が燃えるように……」

最期を迎えるその日まで、酒と歌を愛し、恋愛を謳歌した安西マリア。
どうぞ、安らかに――。

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