昏睡から目覚めた赤い皇帝
昨年12月にスキー事故で頭部を強打し昏睡状態に陥っていたF1元王者のミハエル・シューマッハ。現在もフランスのグルノーブル大学病院で集中治療が続いているが、広報担当者が4月4日に声明を出し、今年1月からの目覚めさせるための治療が功を奏し「一瞬意識が戻り、目覚めた」と、回復傾向にあることを明らかにした。いくつもの困難を乗り越え「赤い皇帝」と呼ばれたヒーローは、この苦難にも打ち勝ってくれることを信じて止まない。

なでしこ旋風が世界を制圧
また女子サッカーが新たな栄冠を手にした。4月4日、コスタリカのサンホセで行なわれたU-17(17歳以下)女子ワールドカップ決勝戦で、“リトルなでしこ”日本代表がスペインを2-0で破り初優勝を果たした。2011年女子ワールドカップで、なでしこジャパンが優勝して以来、年代別を含め2度目の世界制覇の快挙。決勝含め6試合全勝、23得点1失点。大会MVPなど各賞合せて4冠に輝いた。2ヶ月後に迫ったワールドカップでの男子の奮起にも期待したい。

ヤンキース田中、メジャー初登板初勝利!!
ニューヨーク・ヤンキースの田中将大がブルージェイズ戦でメジャー初登板。先頭打者にいきなりホームランを許し2回まで3失点と不安な立ち上がりだったが、その後はピシャリと無失点に抑え日米通算100勝目をメジャー初勝利で飾った。この日7番ライトで先発出場したイチローも3安打を放ち、田中の初勝利に貢献。「7回を100球以内で終わらせるのはすごいことだと思う」と讃えれば、米メディアも序盤で3失点しながらも立ち直ってみせた粘りのピッチングを称賛した。

ダブル世界戦で日本人最速王者誕生
プロボクシングのダブル世界戦が4月6日、大田区総合体育館で行なわれ、セミファイナルではWBC世界フライ級王者・八重樫東(31)が9R KO勝ちで3度目の防衛に成功。元世界2階級王者で39戦無敗“軽量級最強”といわれるローマン・ゴンザレスとの対戦に意欲を見せた。メインイベントではWBC世界ライトフライ級王者に、日本人最速となるプロ6戦目でタイトルに挑んだ井上尚弥(20)が6RでTKO勝ち。11年に井岡一翔が達成した7戦を抜き日本人最速王座の新記録を樹立。日本のボクシング界の新たな怪物伝説の始まりを予感させた。


木々が芽吹く生命エネルギーに満ちた春は、眠れる皇帝をも目覚めさせた。昨年末にスキーで重傷を負い昏睡状態にあった元F1王者のミハエル・シューマッハに意識が戻る兆候が見られたのだ。
海外からはそんな吉報とともに、サッカーU-17女子ワールドカップではリトルなでしこが初優勝。また卓球のワールドツアーでは女子ダブルスの13歳ペアが2週連続優勝するなど、日本の若い女子力を世界にアピールしまくった。
メジャーリーグでは、鳴りもの入りでヤンキースに入団した元楽天の田中将大が初登板。序盤こそメジャーの洗礼を浴びたものの、その後は立ち直り勝利投手に。実力だけでなく、適応能力の高さも印象づけた。
日本国内で圧倒的な強さを見せつけたのが体操の内村航平とプロボクサーの井上尚弥。内村は体操ワールドカップ東京大会で2年ぶり2度目の優勝。まさに王者の貫禄。井上は日本人史上最速となるプロ6戦目で世界チャンピオンベルト奪取。春の日差しのように、まばゆいばかりの才能をきらめかせた。
あっという間に散る桜と違い、若き彼女、彼らへの期待は膨らむばかりの春である。

文・伊藤貴信

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