米国で起きたリコール問題で、"世界のトヨタ"は窮地に立った。

「09~11年に起きたハイブリッド車(HV)・プリウスなどのリコール(回収・無償修理)問題で、トヨタ自動車は米司法省に12億ドル(約1210億円)を支払うことで和解しました。自動車企業が支払う金額としては最大規模となりました」(全国紙経済部記者)

問題発覚時は、"勝手に加速する""ブレーキを踏んでも止まらない"と大バッシングを浴びた。
しかし復権の兆しが見えてきた。

13年は米国市場で売り上げ223万台と高水準を回復。

確かに和解金額は巨額だが、早期の決着で信頼を取り戻すほうが得策だった。

「アベノミクスによる円安の影響もあり、13年度は世界生産1000万台を記録。過去最高益を見込んでいるし、和解金支払いも十分吸収できます。今後、トヨタの世界制覇に向けて大攻勢が始まりますよ」(前同)

その切り札は、他の追随を許さない"先端技術"だという。

それは――。

「燃料電池車(FCV)です。HVの特許はほぼトヨタが独占し、他メーカーを圧倒できたが、それも16年から順次特許切れに。

今後、次世代カーの実用化が命運を分けます。

FCVは走行中に水しか出さず、水素燃料を3分で補給でき、フル充電で500キロも走れる"究極のエコカー"ですから、トヨタの未来はこれにかかっています」(自動車専門誌記者)

FCVは1月の「福岡モーターショー」でも出品され、すでに来年の市販を目指しているが、トヨタは"その先"まで見越している。

「豊田章男社長の号令で、20年の東京五輪に向けて特別チームが発足しています。850万人が来訪する五輪で、タクシーや選手団のバスなどにFCVを導入する予定だと聞きます。このチャンスに、世界に向けてトヨタのFCVをアピールし、この市場をおさえるつもりでしょう」(前同)

日本経済のかじ取り役でもあるトヨタ。

再び世界を席巻する日は遠くない!

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