花粉症のシーズンに合わせて飛来する"黄色い悪魔"黄砂は、PM2・5より恐ろしい"発がん物質"を含んでいた!!

目のかゆみや止まらない鼻水……花粉症の向きにはなんとも辛い季節だが、花粉症のシーズンは"黄色い悪魔"黄砂のシーズンでもある。

ご存じのように黄砂は、中国内陸部の砂漠地帯から季節風に乗って日本にも飛来する。

近年、その黄砂の中に発がん性物質を含む粒子状物質PM2・5が含まれていることが広く知られるようになり、日本でも社会問題となっている。

ところが、この黄砂に、PM2・5をはるかに凌ぐ恐ろしい毒が含まれていたというのだ。

「吸い込んだら肺の奥深くに到達するPM2・5に加えて、黄砂の"放射能汚染"が指摘され始めたんです」(環境ジャーナリスト)

報じたのは、中国内部情報に詳しい新聞・ネットメディアの『大紀元』。
同紙(2月27日付)は、〈中国大気汚染の元凶は「ウラン混合石炭」だった〉と衝撃の記事を掲載。

〈「ウラン混合石炭」とは、数年前に内モンゴルなど北方地域で、火力発電所の周辺で異常に高い放射線が検出されたことに始まる。線量は規制値の数百倍にもあたり、専門家が石炭から放射線が出ていることを突き止めた。(中略)ここで生産された"石炭"は全土に流通しているから、使用地域から「放射線被害」が出てもおかしくない。このまま継続していくと、生態系はおろか人類の滅亡さえ起きかねない。福島原発どころの騒ぎではないのである〉と、警告する。

黄砂に放射性物質が含まれていることは、かねてより指摘されていた。
しかしそれは、黄砂が生まれるのが、新疆(しんきょう)ウイグル自治区など、かつて中国政府が核実験を行っていた地域だからだと解釈されてきた。

「核実験は1964年から96年まで50回程度行われましたが、後半期は地表から地下実験に移行しています。ですから、地表部分への汚染は限定的なはずです。しかしながら、黄砂に放射性物質が付着しているのは、工業地帯や都市部を通過する際に、燃焼した石炭の粉塵をまとうから。やはり、石炭自体が放射能汚染されているのではないでしょうか」(中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏)

ちなみに、放射性石炭の産地とされる内モンゴルからは、昨年1年間で約1・8億トンの石炭が産出された(中国全土では約37億トン=一般財団法人「石炭エネルギーセンター」調べ)。

「一部調査では、内モンゴル産放射性石炭のウランの含有量は、最大で1%程度。これまでに50万トン以上が石炭と一緒に消費され、大気中にバラまかれた計算です」(前出・ジャーナリスト)

中国では火力発電所、各種工場に加え、一般家庭でも暖を取るために石炭を使用する。
この"放射性石炭"が、中国国内で使用され始めたのは2005年頃から。

時期を同じくして、北京市や河北(かほく)省、また瀋陽(しんよう)、ハルピン、吉林(きつりん)、大連(だいれん)など東北地区では前例がないほどのスモッグに覆われた。

「中国では現在、年間120万人が大気汚染が原因で死亡していると予測されており、(中国の)環境問題識者たちは、水面下で"内モンゴルの石炭使用を止めるべき"と政府に警告しているようです」(前同)

先日、WHO(世界保健機関)が発表した『世界がん報告』によれば、「12年中に世界中で新たに肺がんに罹患した患者のうち、36%が中国人」という結果が出ている。

これは、大気汚染の影響が深刻であることを物語っている。

「恐ろしいのは、その元凶である可能性が高い放射性石炭が、この時期、季節風に乗って日本を"越境汚染"していることです。毎年、黄砂の季節には福岡県など、中国に近い地域で放射線量が大きく上昇するのは、そのせいですよ」(同)

その中国の大気汚染、想像を絶するほどに凄まじい。

たとえば北京。

3月23~27日にかけて連日、大気汚染が深刻化。
AQI指数(大気汚染指数=100を超えると健康への被害が指摘される)が、市内計測35か所のうち24か所で450以上を記録。

うち17か所では500以上。
北京市内西部の中心地・西直門では、なんと933(!)を計測した。

「933という数字は、肺がん以前に呼吸器系に急激な症状を引き起こすレベル。誇張でもなんでもなく、命の危険があります」(環境省関連の財団法人スタッフ)

この数値を知った北京市民は、パニックに。

病院は大混乱となり、"挂号"と呼ばれる受付票を奪い合い。

挂号1枚を100元(約1600円)もの高値で売りつけるダフ屋まで現れたというから凄い。

北京だけではない。
中国環境保護部が観測している全国161都市のうち、北京、上海、天津(てんしん)、河北省内の各市を含む57都市が「重度及びそれ以上の汚染」とされ、さらにその中の15都市は最悪レベルの「厳重な汚染」に認定されたのだ。

中国武漢(ぶかん)市にある華中師範大学の教授など、自らのブログに〈水の汚染はペットボトルの水でなんとかしのげる。粉ミルクの汚染は輸入品で乗り越えた。しかし、今日、空気が汚染された。どうすればいいんだ?〉と、綴っている。

「スモッグ保険」まで登場!!

その中国で先般、著名な実業家兼慈善事業家が"空気の缶詰"を1缶5元(約80円)で売り出したところ、なんと10日間で800万個の売り上げを達成。

"大気汚染狂騒曲"は、信じられないところまで進んでいるのだ。

「産業への影響も甚大です。大気汚染による視界不良から空港や高速道路の閉鎖が相次ぎ、物流に大きな影響。また、精密機器生産工場では、粒子状物質の製品への混入が増え、不良品が出ています」(通信社記者)

市民の家計も直撃する。

空気清浄機や、そのフィルター、高性能マスク、呼吸器疾患の医療費など、大気汚染による"煙霧出費"に苦しみ始めているという。

そしてとうとう、国内保険大手の中国人民保険集団が、「スモッグ保険」なる商品を発売。 これは、北京市の大気汚染指数AQIが5日連続で300を超えた場合、300元(約4800円)を支払うというもの。

「ただ、発売後すぐに、政府の指導によって発売禁止に。政府としては、"大気汚染の深刻さを内外に宣伝するな"というわけです。ただ、そもそもAQIが300を超えるなんて日常茶飯事ですから、売り出していても保険会社は赤字になったはず」(前同)

水と安全はタダじゃない時代だが、"空気もタダじゃない"のが中国という国。

そんな中国に進出している各国の企業や政府機関の中には、駐在員に「大気汚染手当」を給付し始めたところも少なくない。

前出の宮崎氏が言う。
「中国政府は、すでに2兆円を環境対策に投じています。さらに、今後3年間で7兆円投じる予定です。ところが、まったく成果が上がりません。というのも、役人たちは予算がついたら、環境技術先進国に視察に行くとの名目で大名旅行三昧(ざんまい)。一事が万事で、環境対策は進んでいないのが現実です」

その中国政府が行ったことと言えば、旧正月の花火打ち上げ規制や、都市部でのバーベキュー禁止の類。

「こんなもの、焼け石に水。いま、そのツケが"放射性PM2・5を含んだ黄砂"襲来となって、我々、日本人を襲っているんです!」と怒り心頭なのは、環境問題評論家の船瀬俊介氏だ。

「この放射性黄砂が内部被曝(ひばく)の原因となり、免疫力の低下や心臓、肺、腎臓を傷つけて、がん化させるんです。また、喘息やアトピー患者、それに、子どもや老人など社会的弱者たちが、ジワジワとダメージを受けている現実も見過ごせません」(船瀬氏)

まさに、"国境を越えた公害"なのだ。

「日本政府は、一刻も早く中国に対して厳しく抗議すべきです。それでダメなら、国際司法裁判所に提訴。放射性黄砂に苦しんでいる国民のため、早急に対応するべきです」(前同)

ちなみに、黄砂が含むPM2・5は、市販されている一般的な花粉用マスクや、医療用マスクでも効果はない。
もちろん、放射線に対しても無力である。

日本の不幸は、"風上"に人類がいまだ経験したことのない汚染大国を抱えてしまっていることか……。

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