共和制のアメリカに、一度だけ「皇帝」が出現したことがあります。
19世紀のサンフランシスコで、ジョシュア・ノートンという男が「合衆国市民大多数の熱望により、合衆国皇帝たることを宣言する」と言い放ち、各種の勅命(ちょくめい)を出し始めたのです。
普通なら、「頭のおかしなヤツ」と冷笑されて終わりでしょう。
しかし、この場合は違いました。
なぜか人々はノートンを認めました。
彼がレストランで食事すると、店は「合衆国皇帝ノートン一世御用達」と刻んだプレートを店頭に飾りました。
劇場ではノートンが貴賓室(きひんしつ)に現れるまで舞台の幕を上げなかったし、市議会はノートンの服を作るための予算を計上しています。
すっかりその気になったノートンは、自分で勝手に印刷した紙幣も発行。
すると驚いたことに銀行や商店は、その流通を認めました。
どうやらこの男、特別なオーラを放っていたようです。
さて、ノートン皇帝に対するアメリカ政府の対処は?
1.偽札犯として処刑
2.国賓として待遇
3.何もせず放置
答え :3
出題:浜川卓也