不倫相手を愛すあまりその愛娘を手にかけて…の画像
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74年10月、東京の下町・葛飾で起きた「小2少女行方不明事件」は、誰もが最も望まなかった悲劇的な結末を迎えた。

行方不明になった少女は、葛飾区立S小学校2年のI・M子ちゃん(8)。
愛娘の行方を必死になって探していた父親・S(37)と、その愛人のH・K子(25)が、事件の背後で"鬼畜の所業"を行っていようとは想像すらできなかった。

M子ちゃんの父は下町の鉄工所の二代目社長。
64年の東京オリンピック前の好景気に乗って、会社を大きくしたやり手だった。

だが、事業の拡大に成功すると同時に、おおっぴらに女遊びをするようになった。
玄人と遊ぶのに飽きたSが目をつけたのが、女性事務員のK子だった。

入社当時、21歳。
堀切小町といわれた美貌に加えて、日本舞踊の名取でもある彼女を、Sは半ば強引に二号にしたのである。

「なんだか肩が凝るんです」
「じゃあ、揉んでやる。柔道をやっていたので指圧は得意なんだ」
2人きりの残業時、そんなやりとりがあったあと、会社の2階の部屋に敷いた蒲団の上で2人は初めて結ばれた。

K子が処女だったことは、さらにSを狂喜させた。
Sは彼女のためにアパートを借り、足繁く通うようになる。

事務員から愛人に"昇格"したK子は嫉妬心から、Sが本妻を抱くことを次第に許さないようになった。
「私は、社長さんが奥さんと浮気できないように一生懸命、何度もセックスしたんです」とは後のK子の証言だが、Sはそんな女心が疎ましくなり、彼女と距離を置くようになる。

そんな折も折、愛娘・M子ちゃんの失踪事件が起きたのである。

M子ちゃんがK子に懐いていたのを思い出したSが、「おまえ、何か隠してないか」と詰問すると、彼女は、「ごめんなさい……実は」冷たくなったSへの当てつけにM子ちゃんを殺してしまったことを、涙ながらに告白したのだ。

だが「これから自首します」というK子に、Sはあろうことか、M子ちゃんの死体を「こんなことが表沙汰にできるか、どこかに埋めてこい」と命じたのである。

さらに、Sは娘の身代金1000万円を要求するニセの脅迫状を投函するよう指示し、捜査の混乱を狙った。
まさに人の親とは思えぬ鬼畜の所業である。

だが、そんな猿芝居、偽装工作がいつまでも警察に通用するはずもなかった。

「私が、やりました」
ひと足早く"完落ち"したK子に続いて、Sが逮捕されたのは、M子ちゃんの葬儀が行われている真っ最中のことだった。

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