この冬、世界各国で異変が続いた。

米国でナイアガラの滝が凍るほどの異常な寒波が到来したかと思えば、ロシアでは1910年以来という記録的な暖冬。
こうした異常気象はこの夏も続き、その総仕上げとなりそうなのが、エルニーニョ現象だ。

これは、東太平洋の赤道付近における海水温の上昇で、さまざまな気候変動が引き起こされる現象だ。

4月10日、気象庁は「今年の夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生する可能性が高い」と発表した。

同様の予測は各国の気象庁からも出され、オーストラリア気象庁などは「早ければ6月に発生する可能性も」と予測している。

「5年前」といえば、2009年だが、7月には中国・九州地方を平年同期比700%という豪雨が襲い、死者31人を出す激甚災害を引き起こした。

9月にはフィリピンに相次いで超大型台風が接近。マニラでは6時間で341ミリという猛烈な豪雨が記録され、総計で死者890人以上という甚大な被害となっている。

「通常のエルニーニョでは、海水温が平年より1~2度上昇するのに対し、この時は最大で5度上昇したといわれています」(科学ジャーナリスト・大宮信光氏)

こうした大規模なエルニーニョ現象が何年周期で発生するのかは、まだ解明されていないが、地球温暖化の影響でサイクルが早まっているとする研究データも存在し、今年のエルニーニョが09年以来の規模になる可能性は決して低くない。

「恐ろしいのは、太平洋上のエルニーニョとインド洋のダイポールモード現象(インド洋東部の海水温が低くなり西部が高くなることで起きる気候変動現象)が連動して、全世界的な規模の破局的な異常気象が起
きることです」(前同)

エルニーニョとは、スペイン語で"神の子"の意味。

神の子が100年に一度の異常気象を呼ぶ!?

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