写真提供:メルセデス・ベンツ日本株式会社
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スーパーカーというカテゴリーが車の世界にはあるが、殆どの人が想像するのはフェラーリやランボルギーニなど、車高が低くて高速道路で300km/hくらい出ちゃうクルマ。しかし、世の中には違うカテゴリーのスーパーカーがある。

かのメルセデス・ベンツから4月末に出たこの「G 63 AMG 6×6」。何がスーパーって、砂漠、岩場、水溜まりといった、地球上でクルマが入れるあらゆる悪路を走破できるシロモノなのだ。ある意味スーパーカーより偉い「モンスター」だ。

日本ではベンツは高級車のイメージだが、戦後まもなくからトラクターのお化けみたいなウニモグ(多目的動力装置の略号)という有名なオフロードトラックを作るなど、こっち方面の技術力も相当なのだ。ちなみにベースとなったGシリーズは発売から35年のロングセラー。発売以来変わらぬ無骨な外観は、六本木あたりのセレブに愛されている。

さて、このG63 6×6最大の特徴は、見ての通りの6つのタイヤ。しかもその全部に駆動力が掛かる「6輪駆動」なのだ! 6輪駆動については、オーストラリア軍などに納入している軍用車両の技術を転用。空回りを防ぐロック機構は車内からの操作が可能で、普通のSUVでは到底無理な急勾配や岩場での走破性を確保している。

また、防弾仕様車の技術をベースにした足回りの採用で、1メートルの深さの川も渡れてしまう(普通のSUVは50センチ程度)。さらに、サスペンションには強化コイルスプリングとラリーレース用に開発されたガス封入式ダンパーを装備。5.5リッター/544馬力のエンジンパワーを余すところ無く6輪に伝える。2011年型のポルシェ911カレラSが3.8リッター/400馬力であることを考えると、こりゃ高速道路も相当速そうなのだ。

対するインテリアは最高級レザーとカーボンでトリム。ベンツならではのラグジュアリー感を感じさせる仕様だというから二度驚きだ。

軍用技術を転用した走破性とベンツならではの高級感を両立したこのクルマ、気になるお値段は税込みナント…8千万円! もうこれ、普通の軍用車両並のお値段。燃料の補助タンクや、砂漠走破用の空気圧調整システムを備えているところを見ると、アラブの石油王あたりが買いそうな予感ですが……。

ちなみに日本には限定5台の生産枠が割当てられている。ってことは、販売の見込みがあるってこと!? こんな車を買っちゃうお金持ちに、なれたらいいのに~~(泣)。

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