先月、国は地域ごとの公定幅運賃でのタクシー営業を義務化した。大阪の初乗りは660~680円だが、これより1~2割ほど安い『エムケイ』などに是正勧告。従わない場合、運賃変更命令や車両使用停止命令などの処分を行うとしている。

そして今月に入り、こういった国の規制は違法として、タクシー大手『エムケイ』と同グループ3社は、行政処分を出さないよう、大阪地裁に訴えを起こした。同社は訴状で「公定幅運賃では、大幅な値上げを強制される」と主張。このような規制は違憲だとしている。

「タクシー特措法」では、運輸省が定めた公定幅料金で営業しなければならない。従わない事業者には最悪、事業許可取り消しなどが下される可能性もあるという。

また、ワンコインタクシー(初乗り運賃が500円)で有名な『壽タクシー』(東大阪市)も、規制による不利益処分差し止めなどを求め、提訴に踏み切る構えだ。

『壽タクシー』の浦木山社長は、提訴の理由として本誌に対し、熱くコメントした。

「歩行が困難なご高齢者の通院や、気軽に利用できる足として庶民に支持されているワンコインサービスにこだわっています。消費税増税などもあり、低料金タクシーは利用者の方にとってメリットが大きいし、お客さんが増えることによって大阪の経済にも寄与している自負があります。利用者の利益を損なう、国による値上げの強制は、営業の自由を保障した憲法に反するもので納得がいかない」

タクシー

企業努力でお客さんに喜ばれている事業者に、ほとんど強制的に値上げを求めるというのはいかがなものか。国も今回は本気だといわれるが、今後の動向に注目したい。

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