未曾有の大惨事となった韓国のセウォル号沈没事件。
ずさん過ぎる危機管理体制が問われているが、問題は海だけではない。
陸の上にも危険が潜んでいた――。

「韓国全土の建築物は本当にやばい。5月12日には、完成間近のアパートが突然20度も傾き、"ピサの斜塔"状態に。幸い建物内部に人はおらず人的被害はありませんでしたが、もし何かの作業中だったら、大変な事故になっていましたよ。まあ、韓国の手抜き建築は世界的にも有名です。90年代の急速な経済発展により、"突貫工事ビル"が多く、建築業者は孫請けどころか7次請けも当たり前。耐震強度なんか考えてません」(全国紙ソウル特派員)

セウォル号事件の時は、現場は初めてという素人同然の操舵士が問題視されたが、建築の世界でも同じこと。
素人同然の下請け業者がビルの建設に関わっていることも多いという。

「なんせ韓国は大事故が起きても政府が迅速に動くことはないからね……」と語るのはソウルの大手テレビ局のプロデューサーで、諦め気味に続ける。

「94年には漢江に架かる聖水大橋が50メートルにわたって陥落し、32名が死亡。翌95年には、ソウル中心部の三豊百貨店が営業中に崩壊し、死者500人を超える大惨事になったんだよ。さすがにこれらの事件を受け、建設産業基本法などの法律が改正されたけど、現場ではまったく守られていない。監督機関も形だけだし、いつ倒壊してもおかしくないビルがソウル市内には山ほどあるよ」

最近の韓国政府の調査では、建て替えが必要な高層建造物は全国の7分の1、修理が必要なのは5分の4にも及ぶというから、どんな建物も安心できない。

「さらに危険なのは、韓国の建築業者が海外進出を積極的に進めていることです。安全基準や耐震設計などお構いなしに、破格の値段で工事を請け負うため、東南アジアや中東諸国などから受注が増加し、経済発展中の国々に進出しています。韓国国内にあるようなオンボロビルが世界に広がると考えると恐ろしいですよ」(前出・特派員)

自衛隊関係者いわく、「ソウルにある橋で朝鮮戦争で壊れなかったのは、統治時代に日本が作ったものだけ。手抜き工事の歴史は長く、建ってしまえば、なんでもいいんだろうね」

事故の教訓を少しは活かしてほしいものだ。

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