5月14日、ニューヨーク市内で水中探検家バリー・クリフォード氏(68)ら研究チームが会見し、カリブ海の島国・ハイチ沖で発見した沈没船は、15世紀にコロンブスが使用した『サンタマリア号』である可能性が高いと発表した。2003年の調査にて、3~4mほどの浅瀬で船を発見。そのポイントは、コロンブスが沈没場所として日記に記したところと一致すると見られ、

「様々な調査の結果、サンタマリア号である条件を兼ね備えている」

と、クリフォード氏は話している。

サンタマリア号は1492年、新航路発見の旅路のさなか、座礁により沈没。コロンブスは他の船でスペインに戻ったとされている。天候や自然現象に大きく左右された当時の船旅は、幾多の悲劇を生んできたのである。そして、沈没船といえば、古今東西で話題に上るのがともに運ばれた“財宝”の行方。

「日本でも、明治維新直後に沈没した『早丸』(400万両以上)や明治初頭の『大阪丸』(数百億円相当)、終戦直後の『天応丸』(およそ3兆円)などが有名ですよね。沈没船の財宝というのは、トレジャーハンターたちの夢、ロマンなんです」(海洋情勢に詳しい新聞記者)

というわけで、近年に引き揚げられた船のお宝をいくつかピックアップしてみよう。

2007年5月
・アメリカの沈没船調査会社『オデッセイ・マリーン・エクスプロレーション』が大西洋で、沈没船から金貨、銀貨17トン(現在の価値にして総額5億ドル以上)を引き揚げた。

2007年12月
・中国沿岸の南シナ海にて、800年前の沈没船が見つかった。船内の財宝は時価34兆円とも試算されている。

2009年7月
・ドイツ人トレジャーハンターのマーチン・ヴェンツェル氏がボルネオ沖で、1806年に沈んだ海賊船『Forbes号』を発見。約700万ユーロ(10億円弱)相当のお宝を手にした。

2012年6月
・バルト海沖で引き揚げられた難破船から見つかった19世紀のシャンパンがオークションにかけられ、8本が96500ユーロ(約1300万円)の値が付いた。

2012年7月
・1941年アイルランドのホルウェイ沖で沈没した軍の貨物船から約48トンの銀が引き揚げられた。

2014年4月
・1991年以来中断されていた『SSセントラル・アメリカ号』の回収作業を再開。8500万ドル以上の金が眠るものと推測されている。

まさに、ビッグ・ドリーム! 凄まじい金額のトレジャーハンティングの数々だが、今もなお、あまたの船とともに財宝が海に眠る。そして、夢を追い続ける世界中の冒険野郎たち。そこには、人々を虜にする歴史に彩られた一攫千金のロマンがあるのだ。

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