東横線・祐天寺駅から、世田谷公園がある三宿方面へ徒歩10分、今は正式な地名としては残っていないけど"蛇崩(じゃくずれ)"と呼ばれる一帯、昔ながらの商店が点在しなんだか懐かしい所。その蛇崩交差点に昭和31年創業の立派なオールド銭湯があります。

初めてここに入った時はなんともびっくり仰天しました!! あれれ……目の錯角?? 疲れているせい? 浴槽横の壁に描かれている魚が……動いてる!? 熱い湯をかぶり、メン玉かっぽじってよ~く見たら、な、なんと!! 本物の鯉じゃあないですか!!!

ここの目玉はなんといっても、ぬる湯の浴槽の壁に取り付けられた水槽に巨大な、ナンともよく肥えた全長80cmはある本物の立派な鯉が泳いでいることなんです。昔ながらの銭湯には、庭があって、鯉が泳いでいて……というのは定番だけれど、浴室に持ってくるとは恐れ入った!! それを見ながらゆったりとぬる湯に浸かると、ああこりゃ極楽、湯船の底からの気泡でリラックス~。昨年訪れたときは、金色、黒、赤の3匹が、狭い水槽に身を擦りあわせながら泳いでいましたが、先日は2匹でした。どしたのかな? ちょっとスペースに余裕ができたね^^
 

 


男女の敷き居にまたがってそびえ立つ富士山のペンキ絵は、いまや2名しかいないペンキ絵師の1人、中島盛夫氏によるもの。数年前は、赤富士でしたっけ。脱衣所と浴室の仕切りのガラスは、これも定番の東郷青児デザインの入浴する女性なのですが、ココらしくその周りには熱帯魚や貝、海草の絵柄が。

古くても、とってもメンテナンスがいき届いています。数年前に造ったと思われるシャワーブースや、改修された浴槽は新しくて清潔。脱衣所には洗濯機2台、1回の使用は150円。番台を反対向きにして改造したフロントには、こりゃまた懐かしいお風呂グッズが。シャンプーブラシ110円、あかすりシャイン480円など。

数年前までは、他にも同じように浴槽から鯉の見られる銭湯が都内にあったらしいけれど、リニューアルですっかり跡形もなくなっちゃったりなんかして、今では、ここだけではないですかな。浴室に金魚がいる銭湯はいくつかありますけれどもね。

最後に光明石という温泉効果のある石が仕込まれている、ジェット付きの熱い浴槽でじっくりと温まったら、祐天寺か中目黒のナイスな飲み屋に繰り出すべし。1杯目のビールでもう1度昇天~~!!!



寿湯
東京都目黒区上目黒5-27-18
03-3713-3019
営業時間=14:50~23:30
定休日=木

 

 

 

ラジカル鈴木・イラストレーター
コンピューターを駆使した独特のタッチで書籍、雑誌、広告などあらゆるメディアにて活躍する。そのいっぽう、15年以上もほぼ毎日銭湯に通い続け、つかったお風呂は300湯以上。その経験を生かし、独自の楽しみ方や健康的入浴法のレクチャーなどを展開している
ラジカル鈴木オフィシャルサイト=http://www.radicalsuzuki.jp/

 

 

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