人目をはばからず泣き喚く風俗嬢に、大股拡げて路上で眠るヤンキーギャル。

かつて、そんな光景は歌舞伎町の風物詩であったが、終電や始発で、この街を去っていく者を見かける機会も減ったはずだ。なぜなら、近年ではホストクラブの深夜営業禁止が厳しく適用され、多くの女性客が足を運ぶのは、日の出からオープンする「2部営業」の時間帯だからである。

つまり彼女たちは街から消えたわけではなく、昼間に時間を移しているのだ。
「一時期のホストブームの頃に比べれば、歌舞伎町も落ち着いたなんて言われていますけど、そんなことはまったくありません。当時の女性客には、セレブや経営者も多かったんですが、最近はほとんどキャバ嬢や風俗嬢ばかり。客層の低年齢化が進むにつれて飲み癖も悪くなり、パンツ丸出しで倒れているギャルは、ますます増加していますよ」

こう苦笑するのは、新宿歌舞伎町ホストクラブ協力会の北条雄一会長だ。

新宿警察署と協力して、定期的に防犯パトロールを行っているだけに、目を疑うほどの破廉恥娘に遭遇する日々なのだとか。
「女性は男性に比べて膀胱が弱いので、漏らしてしまう子が多いんです。下半身ビチャビチャにしながら区役所通りをフラフラ歩いている姿は、まさにゾンビですよ。鞄の中身をぶちまけ、漏らしたまま引つくり返っている子はゴロゴロいますし、路地裏にしゃがみ込んで、小便しながら寝ている子までいる始末ですから……」

その場合は当然恥ずかしい部分が丸見えにもかかわらず、なかなか手を差し伸べる者は現れない。特に、この街には新宿区役所やハローワークなど公共機関も多く、お堅い公務員や子連れの主婦が彼女たちの横を平然と通り過ぎて行く姿は、なかなか味のある情景だ。

また、ホストやスカウトにとって彼女たちは、ある意味「カモ」とも思えなくはないが、そう簡単に声をかける者は出てこない。というのも、彼らにも「縄張り」という暗黙のルールがあり、己の店以外の場所で客を引く行為は御法度。

たとえ本人が善意の気持ちで介抱しようとも、店同士のトラブルの元になりかねないのだ。
「真っ昼間から女を巡ってホスト同士が喧嘩する姿もよく見られますが、こうした、くだらないきっかけがほとんどです。それに、わざとライバル店に鞍替えして、ホスト同士にトラブルを起こさせるのが大好きな女性もいるんですよ。大抵、本人は悲劇のヒロインを演じて、悦に入っています(笑)」

まさに「あたしのために喧嘩はやめて」の状況だが、本当に泣きたいのは巻き込まれたホスト側であろう。

全裸で乳首ナメナメ店内はハプバー状態

こうして路上で様々なトラブルを巻き起こす女性客だけに、店内での乱痴気ぶりは尋常ではない。一見、華やかなホストの世界ではあるが、その裏では文字どおり、糞尿にまみれることさえ珍しくないのである。

歌舞伎町の人気店・Rの社長は、こう語る。
「風俗やAV系には、こっそり安定剤を常用している子が多めなので、アルコールが効いて突然ぶっ倒れられるのが一番困るんです。客席で普通に話しているのに無言で小便漏らされたり、いきなり俺の肩にうなだれて寝たかと思えば、そのまま豪快にゲロ噴射されたこともありますよ」

そして、トイレで意識を失い、そのまま「占拠」してしまう客もやはりいる。

そのせいで他の女性が間に合わずにフロアに"黄金水"をぶちまけ、店内か異臭に包まれた夜もあったのだとか。
「職業柄もあってか、店内で乱れる子もいますね。いきなりテーブルに立って脱ぐのはもちろん、跨がって口移しで酒を飲ませてきたり、やたらと乳首を舐めようとしてくるので油断もできない。こういう子を一人でも許すと、女の子たちは妙な対抗意識を燃やし、あっちこっちに"伝染"するんです。そうなれば、もはや店内はハプニングバー状態ですよ」

当然、こんな噂が漏れれば、営業停止は免れない。ある意味、羨ましい話に思えなくもないが、彼らにとっては、まさに死活問題なのである。

消火器を大噴射させ女同士の大乱闘勃発

さらに、こうした存在以上にホストたちを悩ませるのは、凶暴な客だ。担当のドレススーツを引き裂いて引きずり回すようなメスゴリラを筆頭に、ドンペリのボトルやシャンパングラスを手当たり次第に投げつけて叩き割るクラッシャーなど、出禁扱いを受ける乱暴者も少なくない。
「店内で消火器を噴射されて、数日間、店を開けられなかったこともあります。また、担当ホストを奪い合い、女性客同士が掴み合っての大乱闘を起こすこともしばしば。フォークで刺された子が警察に駆け込んでしまい、全員で土下座して被害届を取り下げてもらったのも、いい思い出ですね」

ホスト側とて、こうした気性の荒い客同士はバッティングしないように配慮しているが、そうした空気を察知し、勝手に店に来てしまうのが彼女たちなのだ。まさに、愛人との浮気現場に乗り込んでくる本妻の心境なのであろう。

だが、どれだけ振り回されても、怪我や入院で済むなら安いもの。

なかにはホストとの関係を思い悩み、自殺を図る者とて少なくない。実際、歌舞伎町には数々の女性客が飛び降り自殺を遂げたと噂されるホストビルもあり、「女の霊を見た」との目撃例も相次いでいるほどだ。

東洋一の繁華街にのめり込み、足繁く通うのは一般女性ばかりではない。実際、週刊誌などでは数々の有名芸能人の「ホスト遊び」が報じられ、テレビや映画では見せない醜態が暴露されてきた。

この街のホストたちに言わせれば、ガセネタも多いようだが、やはり、その中には有名な存在もチラホラ。口を開いてくれたのは、前出・Rの社長だ。
「まず、言うまでもないのがIですね。彼女は某有名ミュージシャンと別れる前から歌舞伎町通いが始まり、1カ月に数百万円使うような太客でした。常連の店はいくつかありましたが、Oというホストと交際が始まってからは彼の店ひと筋。特に気取った飲み方をするわけではなく、評判も良かったんですよ」

彼女はそのOと別れたあとも別の店ヘ通っていたそうだが、数々の週刊誌がその姿を報道。ここ最近は、まったく姿を見せなくなったのだとか。

同様に歌舞伎町通いの事実を認め、騒動を謝罪したのは歌手でタレントのKだ。もともと老舗店・Aの常連客だった彼女だが、酒癖はあまりよろしくなく、横暴な発言も目立っていた様子だ。

時には、しつこく肉体関係を強要することまであり、有名ホストのYは彼女に「ストーカー行為をされた」と告発している。
「結婚してからは来なくなりましたが、天然キャラで人気のタレント・Sもよく見かけましたね。ただ、実際の彼女は計算高く、酔っても"おバカ"な飲み方はしなかったそうです」

また、数々のテレビドラマ主演した女優・M、K星出身のタレント・O、さらに超人気カリスマ歌手の妹であるMも時折、歌舞伎町にしばし降り立つ。

しかし、大半は「スポンサーが連れてくる」というケース。無茶な飲み方をするわけでもなく、特定のホストに熱を上げるようなこともないようだ。

逆にニューハーフの友人を引き連れて来店する良客だったのが、国民的アイドルグループの人気メンバー・Gである。

「彼女はかなりの変わり者で、客席で担当ホストと一緒に携帯ゲーム機に夢中なんですよ。頼めばボトルも入れてくれますし、楽で、いい客です。それと、良客から"痛客"に突然変貌したのが、お騒がせ歌手のK。彼女はまったくアイドル気取りもなく、ホストたちからの評判も良かったんですが、ある時期を境に安定剤中毒になってしまったようで(笑)。ロレツも回らず、いきなり泣き叫んだりするので、常連店の幹部らも対応に困り果ててました」

お高く止まっている女優も、アルコールが入れば、ただの一匹のメス。歌舞伎町のホストクラブで痴態をさらす客に、一般人も芸能人もないようだ。

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