5月27日、プロ野球界に衝撃が走った!
腰痛のために前日のヤクルト戦を欠場した楽天イーグルスの星野仙一監督が、難病指定されている胸椎の黄色靭帯骨化症と腰椎椎間板ヘルニアを罹患していたことが発表されたのだ。

「星野監督は当面、休養に専念しますが、"絶対に復帰する"と、現場復帰に意欲を見せています。ですが、長引くようなら、このまま勇退してしまう可能性もありますよ」(スポーツ紙デスク)

昨年、初優勝したあと、楽天と2年契約を交わし、さらなる意欲を燃やしていた星野監督だけに、
「今シーズン限りの勇退」
はありえないと思われていたが、まさに一寸先は闇。
場合によっては、監督代行の佐藤義則コーチの監督昇格が正式発表される可能性もある。

星野監督のような大物監督は、現在のプロ球界では珍しい存在だ。

野球解説者の江本孟紀さんは語る。
「今の監督は昔に比べて権限が極端に小さくなっており、フロントが全部決めるケースが増えています。監督の立場が軽くなり、少しでもダメなら、すぐにクビになってしまうんです」

現在、セ・パ12人の監督のうち、今年で「契約切れ」となるのは8人。
このため、オフは空前の監督交代ラッシュとなりそうだ。

「なかでも注目は、予想外にパ・リーグの優勝争いを演じているオリックスの森脇浩司監督。早くも"後釜"の噂が出ているんです」
と全国紙運動部のオリックス番記者が語り、続ける。

「しかも、有力候補として挙がっているのが、現役メジャーリーガーのイチローなんです。ヤンキースでは出場機会が減少し、来季は移籍濃厚なんですが、カネのかかるイチローを、どこも取らない可能性は高い。本人は4000本安打にこだわっていますから、古巣のオリックスでプレーイングマネージャーということなら納得する。日本球界復帰への道は、これしかないでしょうね」

実はオリックス、着々と「その日」のための布石を打ち続けていたという。

「今でもオリックス銀行のCMにイチローを起用しているし、オフになると必ず古巣の『ほっともっとフィールド神戸』を練習場に貸している。これは"日本に帰ってきたときは、ぜひウチでお願いします"という意思表示でしょう」(前同)

さらに、オリックスの監督候補は、もう一人。
こちらも元大リーガーの名前が浮上。

なんと、野茂英雄氏だというからビックリ。

「今年に入ってから球団幹部が野茂に頻繁に接触しているようです。本人は監督への意欲は見せたことありませんが、"元メジャーの監督第1号"ということに色気を見せているみたいですからね」(夕刊紙記者)

もちろん、森脇監督が優勝でもすれば、
「今オフ監督の交代」
は即、なくなってしまうだろうが……。

そのオリックスと優勝争いを演じているのがソフトバンクの秋山幸二監督。
チームは好調なように見えて、立場的には"崖っぷち"に立たされている。

「昨年は優勝を逃し、孫正義オーナーがカネに糸目を付けずに大補強を断行。
その結果、戦力アップしたわけですが、これで優勝できなければ、秋山監督の資質に疑問符が付きます。"優勝するだけではダメ。ダントツで勝て!"と孫さんが言っていることから考えても、2位では即クビとなるでしょう」(前同)

後釜の最有力候補は、OBの小久保裕紀氏と城島健司氏の2人だという。

「とはいえ、小久保は常設されたWBCの監督に就任しているため、兼任はかなり厳しい。その場合は城島の緊急登板もありえる。いまは、趣味の釣りとゴルフ番組にしか出ていない城島ですが、いずれ現場復帰するつもり。オファーがあれば、必ず受けるはずです」(福岡のテレビ関係者)

次に日本ハムの栗山英樹監督。1年目に優勝、2年目は最下位。今年こそ真価を問われる年だが、
「大谷の二刀流にかまけ、フロントの言いなりになっているうちに、チームの足腰が弱くなってしまった。栗山さんは大社義規オーナーと蜜月なので、GMに昇格する可能性が高い」
と、日ハムの球団関係者が語る。

「そうなると、有力なのは稲葉篤紀ですが、ちょっと時期尚早です。緊急避難的な措置としてヒルマンを戻す可能性もある。まあ、どちらかでしょうね」(前同)

かつての栄光をすっかり失ってしまった日ハム同様、低迷しているのが西武。
このままだと、伊原春樹監督の更迭は必至だろう。

「潮崎哲也二軍監督が次期監督に就任することは確実です」(前出・デスク)

実は、前任の渡辺久信監督の後釜として、潮崎が最有力候補だったが、本人が二の足を踏んだという。
「その時、猛烈な"売り込み"をした伊原監督にお鉢が回ってきた。1年ズレたとはいえ、よほどのことがない限り、潮崎監督誕生となるでしょうね」(前同)

最後にロッテだが、伊東勤監督は、パの監督の中では唯一安泰で、人事的には無風状態が続く。


大魔神には監督手形がある!?

「セ・リーグでも、巨人の原辰徳監督は次期監督最有力候補の松井秀喜に譲るまでは、よほど成績が落ちなければ安泰。中日の谷繁元信プレーイングマネージャーも長期政権の予定」(同)

次に、今年好調の広島・野村謙二郎監督の契約も今季限り。
だが、今の状態を維持し、Aクラスに残れば続投はまず確実だろう。

「もしダメでも、このチームには緒方孝市コーチに禅譲するのは既定路線で、なんの問題もありません」(スポーツ紙広島番記者)

同じく好調の阪神タイガースだが、優勝を逸した場合は和田豊監督の退任は濃厚だという。
その場合、GM付育成&打撃コーディネーターを務める"ミスター・タイガース"掛布雅之氏が就任することになるだろう。

「事業失敗などの身辺問題を抱えていた掛布ですが、フロントは世論の動向を見ており、反対論が起こらないようなら掛布で決まる。もしもダメな場合は、現役時代から監督候補だった矢野燿大・元捕手の出番となるはずです」(在阪記者)

ヤクルトには、次期監督の最有力候補として宮本慎也氏の名前が挙がっている。
「本人は、しばらく外で野球の勉強をしたいと言っていますが、1年契約の小川淳司監督が退任した場合、そういう悠長なことは言っていられない。ヤクルト愛の強い宮本は、フロントから懇願されれば、引き受けますよ」(テレビ局スポーツ番組ディレクター)

最後に、評価が難しいのがDeNAの中畑清監督。
成績はともかく、3年続けて観客動員が増えているのは、人気もあってマスコミ受けのいい中畑監督の力だ。
「しかし、今年、最下位となれば、さすがにフロントも検討します。その場合、有力候補となるのが、"ハマの大魔神"こと佐々木主浩・元投手ですね」(前同)

実は、この"佐々木登板"には、ちょっとキナ臭い噂が出回っている。
「佐々木は、横浜がTBSの所有だった頃に監督手形を振り出されていたとか。球団がDeNAに身売りされたとき、その約束も申し送り事項として引き継がれ、それがまだ生きているとの説もあるんですよ。本人もやりたがっていますし、地元人気も高い。首脳陣にその気があるなら、来季就任もありえる」(同)

熱いペナント争いとともに、各球団のウラで進行する次期監督レース。
はたして、どのような結果になるのだろうか……。

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