好調狙い馬予想 薮中泰人
ハンデ頭でもフーラブライド



荒れるハンデ重賞、マーメイドSが日曜阪神のメインだ。

ハンデ戦に施行条件が変わったのは8年前。それ以後の荒れ模様はどうだ。馬単万馬券は5回。3連単も10万超えが5回もあり、06年30万、11年42万、08年には193万馬券も飛び出している。

波乱の原因になっているのはハンデ頭の弱さ。過去8年でわずか2連対だ。1番人気馬も1連対しかない。逆に好走しているのが軽ハンデ馬。4年前までの勝ち馬のハンデはすべて53キロ以下だ。2着馬も54キロが1頭いるだけで、あとは53キロ以下だった。

ただし、ここ3年は傾向に多少の変化が見られる。一昨年は53キロ→50キロで決まったが、3年前は55キロ→56キロ。昨年も56キロのハンデ頭、マルセリーナが勝ち、2着も55キロのアグネスワルツ。それでもハンデが嫌われ7番人気、10番人気と人気を下げており、荒れるレースであることに変化はないのだが……。

さて、今年はどうか。ハンデ頭候補はフーラブライド。前走のヴィクトリアマイルで13着と着順を下げており、ハンデ増が嫌われる可能性もある。それなら積極的に狙ってみたい馬だ。

前走の敗因はマイル戦と展開不向きに尽きる。長く脚を使うタイプで、瞬発力争いは苦手。18頭立てで外の17番枠でレースの流れにも乗れていなかった。

それでも中団後ろからレース上がり34秒3を上回る33秒8で走っているのだから悲観すべき内容ではない。

フーラブライドは昨秋に芝へ路線変更したが、これがズバリ当たった。条件戦を2連勝したあと挑戦した愛知杯で重賞初Vを決めると、年明けの日経新春杯で牡馬相手に3着好走。続く中山牝馬Sも中団からしっかり差し切った。前走を除けば、パーフェクトに近い戦歴だ。

馬体も以前の硬さが抜けて、充実ぶりがひと際目立っている。阪神二千の舞台設定もよく、たとえハンデ頭になっても期待に応えてくれるだろう。

同じ日曜日、東京ではエプソムCが行われる。休み明けをはさんで3連勝中のスピルバーグが人気を集めそうだが、狙いは関西馬のマジェスティハーツだ。

4月阪神のオープン特別で復帰戦2着。続く新潟大賞典も中団から追い込んで2着。ともにアタマ、クビの接戦だった。成長力があるハーツクライ産駒で陣営期待の1頭。体がさらに引き締まった中間気配から今回こそのムードがある。舞台も折り合い面の不安がない左回りコースだ。
(日刊ゲンダイ大阪記者)

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