後期印象派を代表するオランダ出身の画家、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの耳のレプリカが、ドイツ南部の美術館兼研究所「アート・アンド・メディアセンター」で5月30日から展示されている。

この耳は南フランスのアルルにゴッホが暮らしていた時、精神を病んで自ら切り落とし、売春婦にプレゼントした左耳のレプリカ(友人のゴーギャンがケンカをした際に、怒って切り落としたという説もある)。単なる作り物ではなく、再生医療の技術を用い、当人の生きた細胞の一部を培養して再生させたものだ。これまでにないアートとして注目されている。
このレプリカを作ったのはドイツ人女性芸術家のディムト・ストレブ氏。彼女はゴッホの弟、テオドルスの玄孫が持っていたゴッホの唾液と耳軟骨の一部を提供してもらい、3年がかりで完成させた。作品は培養液につかった状態で展示されており、長期の展示でも問題はないという。

再生医療の技術進歩はすさまじい。この技術がもっと一般化すれば、マリリン・モンローなど、すでにいない有名人の体の一部を再生するビジネスが出てくるかもしれない。

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