見どころたくさんで一度は行ってみる価値あり! ビル型でも十分懐かしい感じの「健康浴泉」は、建て直したのが昭和53年(1973年)。僕はレトロ銭湯に興味&造詣が深いワケではなく、こちらのように実用的なおかつ'70~'80年代に流行った、いろんなプチ近代的工夫を観察するのが大好きなんですねー。

場所はJP東中野駅と都営大江戸線東中野駅から山手通りを超えるか、東京メトロ東西線落合下車でいずれも徒歩5分。細くて賑やかな東中野ギンザ通り商店街をしばらく行き、路地を左に曲がった場所。

最初のインパクトは、ガラスの自動ドアを抜けるとある大きなステンドグラスのつい立て。そしてその先にあるフロントに鎮座される女将さん! 和服を着て頭をビシっとセットし、お化粧もバッチリ。まるで由緒ある旅館か料亭に来てしまったのかと、一瞬錯覚してしまう圧倒的に粋なお姿!!! ご主人の藤田友彦さんの奥様、悦子さんは名物看板女将さんなのです。

脱衣所も圧巻。浴室との間に全長10mはある日本全国の名物イラスト入り地図の巨大ステンドグラス(ガラスにカラーのシートを貼ったもの)!! 男湯側が西、女湯側が東日本で、富士山、歌舞伎、通天閣、大仏様に機関車、乗馬、球場、etc...こりゃ思わず裸のままじっくりと観ちゃう!! お客さんが故郷を思って懐かしめるよう造ったんだそうで、銀座の老舗キャバレー"白いバラ"の店頭に描かれている日本地図を思い出す。そう、花の都、東京は江戸時代より、遠くから仕事を求め出て来た者たちの街ですから。
 

銭湯


他にはアナログ体重計とまん中には畳敷きの腰かけ。さらに沢山のコミック、男女の敷居の上に液晶TVと洗濯機が2つ。そしてポイントが、ご主人があちこち旅行して撮った大判プリントギャラリーコーナー、なんと和装でキメた女将さんとのラブラブツーショットがいっぱいで微笑ましい。さらに懐かしき邦画、洋画のポスターや看板、映画雑誌の写真も多数。ご主人、かなりのマニアと見た。居酒屋とかバーでも、店主さんの個性を極力出さない店と前面に押し出している店がありますが、僕は後者がわりと好き。Show me please! あっ、自販機には缶のスーパードライ(230円)があるので入浴後に^^

浴室は小じんまりと機能的。ヨーロッパの山々と湖のタイル絵。虹が男女の浴室の掛け橋だ。浴槽は熱め浅めの泡の湯、ジェット付きの座風呂、そしてコレは一時、流行ったものなのでしょう、たまに見かけるジャイアントロボか鉄人28号の背中に着いているような形の噴射型ショルダーマッサージ(幅や角度は固定されていて調整できないので、僕には小さくて間に入れない)、そして深めのジェットの座風呂、ここまでは繋がっていて湯温は43℃ほど。約40℃のぬる湯の浴槽はでんき風呂ありで軟水使用。サウナは浴室とは反対の脱衣所を横切った2階の階段をあがったちょい離れたところ。水風呂もあるサウナはプラス400円で、こちらも極楽。
おふたりとも、いつまでもお元気で!


健康浴泉
東京都中野区東中野3-17-3
03-3362-3524
営業時間=15:00~24:30
定休日=水曜日

 

 

ラジカル鈴木・イラストレーター
独特のタッチで書籍、雑誌、広告などあらゆるメディアにて活躍する。いっぽう、15年以上もほぼ毎日銭湯に通い続け、つかったお風呂は300湯以上。その経験を生かし、独自の楽しみ方や健康的入浴法のレクチャーなどを展開、銭湯愛好家として登場した媒体は、1010、Tarzan、日刊ゲンダイ、またラジオ出演等
ラジカル鈴木オフィシャルサイト=http://www.radicalsuzuki.jp/

 

 

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