先週18日、カジノを中核に据えた統合型リゾート施設の開設を推進することを目的とした法案「特定複合観光施設(IR)区域整備推進法案」が、いよいよ衆院の内閣委員会で審議に入った。この法案に関しては、今国会に提出はされたものの、カジノ開設による治安悪化を懸念する公明党に配慮し、これまで審議は見送られてきた経緯がある。

とはいえ、今国会の会期末が今月22日に設定されていたこともあり、審議入りはしたが、結局は継続審議となってしまった。

もっとも、ようやく審議入りしたことで、カジノ推進派はがぜん勢いづき、秋の臨時国会での成立に大きく望みを託すこととなった。そして、こうした動きを受けて、株式マーケットではカジノ関連銘柄が、今まで以上に大きく注目を集めることになるのは必至だろう。

しかし、筆者としては、ここで大きく注意を促したい。カジノ関連銘柄に手を出すのは、慎重であるべきだ、と。

なぜなら、前述のIR法案が、秋の臨時国会で成立する見通しがまったく立っていないからだ。その最大の理由は、議員提出法案ということもあり、IR法案は法案としての体を成していないところにある。つまりIR法案は、法案としてまったくといっていいほど不完全なものなのだ。

従って、これを成立させるためには、相当な修正作業が必要になってくるはずだ。秋の臨時国会でこのIR法案が成立する確率は、ほぼゼロと見ていいだろう。むしろ、廃案になる可能性すらある。

日本にとってカジノ開設はまさに蜃気楼のようなもの、というのが筆者の素直な感想なのだ。

そうした意味で、カジノ関連の儲け話には要注意といえよう。


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