「ホテルやレストランでの同伴ができるなど、近年のアメリカはペット先進国EU並になっています。そんな中、こんな事件が発覚するなんて……」
 在米ライターのA氏がある事件に関して語った。ことが明らかになったのは先月の17日に開かれたアメリカ議会の公聴会。そこに出席したアメリカ食品医薬局(FDA)のフォーファ副部長の発言だ。
 同副部長は「07年から今年5月までの間に、食後に吐いたり、著しく体調不良となった犬が5600匹いた」と報告した。
 そのうち、1000匹の犬が、飼い主と永遠のお別れを告げたという。
 一体、何が原因で家族同然ともいえるペットが食後に体調を崩したり、死亡したのか。
「複数のメーカーが販売しているペットフードであるジャーキーを食べた後に、下痢や嘔吐を起こしたようです。また死亡した犬は肝臓や腎臓などの内臓疾患が原因と見られています」(前出A氏)
 まだ未確認であるが、ジャーキーの原料に中国産のものが含まれていたという情報があるのだ。
「今後、FDAが詳細な調査に乗り出すことになっています。もし中国産の原料が原因と特定されれば、議会としても対応を迫られでしょうね」(前同)。
 中国は今回の疑惑だけてなく、人が口にする食品から工業品まで、さまざまな摩擦や関係悪化を引き起こしている常習犯なのだ。
「07年、日本向けに製造した冷凍餃子に毒入りが発覚したのを始め、同じく毒性の強いメラニンが混入していた粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎不全になっています。こうしたことから中国製の加工食品を巡り、欧米・アジア各国が残留農薬など厳しい基準を設け始めたのです」(厚生省詰め記者)
 今回のペッフード疑惑でも中国産の原料が原因となれば、米中の外交問題に発展する可能性はある。
「ウナギやエビなど5種類の魚介類に使用が禁止されている抗菌剤が使われたため、中国産の魚介類が輸入禁止になった経緯があり、ペットフードまでもそうだとすれば、さすがのアメリカも業を煮やすでしょう」(前出同) 
 FDAの調査の結果次第では、オバマ政権にとって難しい舵取りが迫られそうだ。

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