兵庫県議会の野々村竜太郎議員。

1年間に195回の日帰り出張をしたとして、昨年度の「政務活動費」から301万5160円の交通費を支出していたことがわかった。この「195」という数字がいかに多いか。

最盛期の全日本女子プロレスは全国をくまなく巡業したことで知られるが、ピーク時の年間興行数は「250」前後だった。それをこなす選手の体力、技術はもちろん、移動の日程を組むフロント陣のやりくりがなければできない芸当だった。

しかし野々村竜太郎議員の出張が本当なら、ひとりで全女に迫る数字を叩き出したことになる。議会が開かれる日を除いての移動だからまさにフルスロットル移動だ。しかも全女の250という興行数は昭和時代の数字だ。現在では、旅から旅への毎日という移動スタイルはプロレス界でも消えている。

野々村議員の移動が今の時代ではいかにすごいか、まもなく開催される新日本プロレス「G1 CLIMAX 24」の日程をみてみよう。7月21日の北海道立総合体育センターから8月10日の西武ドームまで全12大会が行われる。過酷な大会日程を誰が乗り切るかが注目されているが、野々村竜太郎議員の比ではない。今年のG1はすでに野々村竜太郎議員が取った。

ここまでいかに野々村議員の移動数が尋常でないか、プロレス興行と比較してきたが共通点もひとつある。それは「巡る土地をしぼる」ことである。現在のプロレス興行は全国津々浦々へ行くスタイルより、大都市中心を巡るスタイルになった。じつは野々村竜太郎議員も日帰り出張の行き先として申告しているのは「四か所」だけなのである。

城崎温泉、兵庫県佐用町、東京、博多である。東京と博多でビッグマッチを開催するのは新日本プロレスのスケジュールと一致。106回訪れた城崎温泉ではオーバーホールしていたと考えると、謎は佐用町である。ここに昨年だけで62回訪れている。いったい「兵庫県佐用町」には何があるのか?

ひまわり。ひまわりなのである。

佐用町は一面に広がるひまわり畑が観光名物。ひまわり祭りも有名。野々村竜太郎議員は激務を癒すため、1年のうち62回佐用町を訪れ、ひまわりを眺めて癒されていたのではないか?

出張おつかれさまです。

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