キュートな八重歯と愛くるしい笑顔。“みっちょん”の愛称で80年代にアイドルとして人気を集めた芳本美代子さん(45)。現在は、テレビや舞台で女優として活躍中の彼女が、最新主演映画『MAYAKASI』で初の本格アクションに挑戦!独身となった大人の女性の理想のデートも伺いました。
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芳本美代子さん主演映画『MAYAKASI』。7月11日にDVD発売(東映ビデオ)
――映画を観ましたが、アクション・シーン、すごかったですね
芳本 実は本格的なアクションは、これが初めてだったんです
――アクションをやってみようと思ったきっかけは?
芳本 ま今回の監督の松井哲也さんがアクションスクールのお仕事を始められるという話を聞いたときに、"40歳を過ぎているのに、私、これまでの人生で習い事って一つもやったことがない!"って気づいたんですよ。
――なるほど。
芳本 それと同時に、体を動かせることが女優としての引き出しを一つ増やすことにつながるんじゃないかなって。
――練習では、どんなことをされたんですか?
芳本 まずは、実際に当てるとこから始めるんです。
――アクションの殺陣(たて)って寸止めじゃないんですか?
芳本 カメラが寄ると、当たってないのがバレバレなんで、ホントにやるんですよ。でも、そのとき、どうしても目をつぶっちゃったり、逃げ腰になっちゃうんで、そうならないために練習するんです。
――い、痛くはないんですか?
芳本 痛くない箇所を探し当てながらやるんですが、やっぱり痛いですよ(笑)。
――大変ですね……。
芳本 それに加えて、基礎トレーニングとして、足腰を鍛えることもやったんですが、筋肉がプルプルと震えだすんです。生まれたての小鹿がやっと立ち上がって、みたいでしたね(笑)。
撮影でもケガひとつなく
――そうした苦労の末のアクション・シーン。早送りに見える部分もありました。
芳本 えぇ、実際、早送りもあるんですけどね(笑)。でも、キチンと当てることができないと、早送りにしてもああいうふうには見えないんですよ。たどたどしい動きになっちゃうんです。
――もともとスポーツは何かされていたんですか?
芳本 体育会系に見られがちなんですけど、中学生と高校生のときにバスケットボールをやっていたくらいなんですよ。でも、撮影ではケガひとつしませんでした。
――練習のたまものですね。
芳本 ワイヤーアクションも一切なしの演技を見てほしいですね。
――さて、今作は主人公・聡子(さとこ)と、聡子の夢や回想シーンに出てくる翔(しょう)の一人二役を演じましたが。
芳本 一人二役は以前、ドラマでも演じさせてもらったことがあるんです。ただ、一つのシーンの中に自分二人が対峙する……というのは、今回が初めての経験でしたね。
――実際に演じ分けは難しかった?
芳本 今回は台本作りにも携わったこともあって、そんなにはなかったですね。台本の女性目線のセリフは私が受け持っていたので。
――翔のほうは常に表情が険しい感じで、陰のある存在でしたね。
芳本 一子相伝(いっしそうでん)で武術を学ぶ家に生まれ、戦いの中に生きる強い女性ですからね。女性的な感情よりも、男性的な思考をすることを意識しました。
大人のデートを満喫したい
――一方、息子のいるシングル・マザーである聡子のほうは、すごくいきいきしてました。
芳本 ホントですか(笑)。私自身の印象も強いのかな。
――プライベートでも一児の母ですよね。
芳本 でも、母親役をやるときは、いつも息子がいる役なんですよ。なんでかな?あ!でも、実はこの映画には実の娘も出ているんですよ!
――えっ、どのシーン?
芳本 息子が学校に行くシーンで、迎えに来る女の子がそうです。
――実の娘さんだったんですね。緊張しましたか?
芳本 特に意識はしなかったですね
――劇中では、寝坊して息子が朝食を作るシーンがありましたが、プライベートではいかがですか?
芳本 娘が朝食を作るということはないけど、女同士なんで、実際もあんな感じで良い意味で適当かな(笑)。
――女優と母親の一人二役の両立は難しくないですか?
芳本 今は子どもも大きくなったので、そんなに大変ということはないですね。逆に助けてもらっていることのほうが多いかも(笑)。
――今回演じた聡子はシングル・マザーですが、昨年7月に金山一彦さんと離婚された芳本さんご自身も、同じ境遇ですね。
芳本 そう。でも、シングル・マザーになって、もう1年たつのか。早いな(笑)。
――なんか、他人事みたいですね(笑)。ご自身の中で変化はありましたか?
芳本 なんか、もうスッキリ!子どもを育てなくちゃとか、男の人と同じように頑張らなくちゃいけないという気持ちはあるんですけどね。
――なるほど。
芳本 でも、今後の自分のことを考えれば、少しは楽になる自分も出てくるんじゃないかなと思うと、チャレンジする気持ちが湧いてきましたね。
――チャレンジ?
芳本 守ろうというよりも前向きにやろうという気持ち。失敗したからこそ見えてくる結婚生活があるんじゃないかなって。今までのことを引きずっていかなければいけない面もありますけど、基本は捨てていこうと思い始めたんです。
――もう過去には未練を持たない、と。
芳本 いろんなものを"断捨離(だんしゃり)"してスッキリさせたら、もっと笑顔になれる瞬間がいっぱいあるだろうなって。
――そういう場合、女性のほうが強くなれるみたいですね。
芳本 そうですかね。私たちの場合は同じような仕事をしていたから、結果的にお互いに邪魔になっちゃっていたところがあったように思うんです。かえって複雑に考えていたところがあったと言うか。それが今では、すごくシンプルに考えていけるようになってきましたね。
――新たな結婚にもチャレンジしますか?
芳本 良い人がいれば、ふふふ♪出会いの問題ですかね。でも、前とは全然違うモノになるであろうという期待はしていますよ。
――"理想のデート"を聞かせてください。
芳本 客船やロマンスカーでの旅って憧れますね。
――ちょっとぜいたくな長旅ということですね。
芳本 そうですね。でも、そういうのが許される年になったと思うんですよ(笑)。
――大人のデートだ。
芳本 癒しと言うか、自分へのご褒美というか。ゆったりとのんびりした時間を送る……そんなぜいたくな旅をしたいですね。
――旅番組にもよく出ていらっしゃいますよね。
芳本 仕事だと、移動中は疲れて寝ちゃうことが多いんですよ。だから、プライベートの旅行なら、目的地での楽しみよりも、そこまでの道中をデート感覚で楽しませてくれたら、ポイント高いですよ!
魅せるための体を作りたい!
――長旅のお供と言えば、お酒は必須!飲めるほうですか?
芳本 焼酎とか大好き!以前は高田延彦さんとかプロレスラーの人たちと飲んでも負けないくらいだったんですよ(笑)。
――それはすごい!
芳本 でも、最近は外では飲まないな。飲む時間があったら、寝てたほうがいいかなって(笑)。
――となると、男性とも、外でワイワイするよりよりは、ゆったり過ごすほうがいい?
芳本 というよりは、趣味があったらいいかな。結婚していた金山さんが多趣味だったんですよ。一方、私は無趣味だったので、いつも"すごいなぁ"って。
――そういうのを一緒に楽しんだり、ということはなかったんですか?
芳本 なかったんですよね。一緒に楽しんでたら興味が湧くものが出てきたのかもって、今は思うんですけど。だから、ちょっとでも何かしら趣味が合う人がいいかなぁと思っていますね。
――最近はどんなことにハマっていますか?
芳本 今はアクションを始めたこともあって、体を作ろうって。筋肉ムキムキではなく、魅せる体を作りたいんです。
――何かされているんですか?
芳本 太極拳をやり始めたんですよ。スローな動きの中に忍耐や我慢といった精神を学べて楽しいです。
――それもさっきおっしゃったチャレンジですね。
芳本 そうですね。実は芸能生活も来年で30周年になるんです。30年もやっていると、初めてのことってそうそうないんですよね。でも、気持ちの持ちようや取り組み方次第で、何かがすごく新鮮に見えてくることがあるんですよ。これからも、仕事に恋にチャレンジしますよ!
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元気な印象はアイドル時代と変わらない芳本さん。女優として、母親として、そして一人の女性としてがんばるポジティブな姿を、週刊大衆はいつまでも見守っています!
よしもと・みよこ
1969年3月18日生まれ。
山口県出身、B型。身長158センチ。83年、福岡音楽祭ビッグコンテストに出場、入賞は逃すも、テイチクレコードにスカウトされ、85年に歌手デビュー。90年には、第28回ゴールデン・アロー賞・演劇新人賞を受賞。以来、ドラマや舞台を中心に女優として活躍中。
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