野山に住み、人の血を吸うことで知られているマダニ。昨年、噛まれたことで発症する感染症での死者が相次いだが、今年になってその生息域が全国に広がりつつあることがわかった。
もともと西日本に多く生息していたが、そのエリアは東日本にまで広がっている。西日本では特に伊勢志摩での被害者が多く、全国でも突出した数だという。伊勢志摩が多い理由としては昔からいた、自力での長距離移動が難しいため動物や植物に付着してやってきた、などが考えられるが、はっきりとはわかっていない。
マダニ被害の恐ろしいところは、致死率が高いことだ。マダニはさまざまな感染症を媒介するが、そのうちのひとつであるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、昨年初めて日本で確認されたもので、まだ治療薬が開発されていない。そのため昨年は西日本で40人の感染者が確認されたが、そのうち13人が命を落としている。
これからの季節、キャンプなどで野山に行く機会は多くなると思うが、くれぐれもマダニには気をつけたい。もし噛まれたとしても、絶対にSFTSに感染するというわけではないので、もし噛まれたら冷静にすみやかに取り除こう。マダニは噛んだ時にセメント質を出して皮膚にしっかり食い込むので、取る時にはピンセットでつまんで取るのがおすすめ。参考動画を載せるので、ぜひ参考にしていただきたい。

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