発熱と頭痛で風邪かな?と思っていたら、大量の鼻血と消化器からの出血、やがて死亡……。
現在、西アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱の症状だ。

「7月1日、世界保健機関(WHO)はエボラ出血熱の流行が始まった3月以降に確認された患者が759人に達し、467人が死亡したと発表。過去にも流行したケースがありますが、今回は最大級とも言える惨状です」(通信社記者)

エボラウイルスが初めて発見されたのは、38年前のスーダン。
致死率は50~90%と非常に高く、治癒したとしても、失明などの重い後遺症が残る恐ろしい感染症だ。しかし、これまでの死者数が約2000人と、年間数十万人の被害者が出るマラリアなどに比べると遥かに少ない。

「毒性があまりに強く、感染してから死亡するまで、わずか10日間と早すぎるために、蔓延する暇がないというのが実態で、感染力が弱いというわけでは決してない」(科学誌記者)

今回の大流行はギニア、シエラレオネ、リベリアの計60か所で患者が確認されるなど、広範囲にわたっている。
感染範囲の拡大で、新たな脅威も出てくるという。

「一部地域でしか存在しなかったウイルスが、新たな環境に移ると、突然変異する可能性が高まってくる。今のところ、エボラウイルスは空気感染する性質を持っていないが、突然変異で感染経路が広まってくると、驚異的な感染力を持つ新種のウイルスが生まれてもおかしくはありません」(私立大学の研究員)

そして、今年はワールドカップイヤー。
世界中で人々の移動が活発になる時期である。

「4年に一度のワールドカップとあって、アフリカでも例年以上に人々の出入りが激しい。この動きに感染力が高まったエボラウイルスが合わさると、パンデミック(世界流行)を引き起こしてしまう恐れも」(前同)

風邪で発熱したかと思ったら、数日後には出血死……。
エボラウイルスの恐怖はすぐ近くまで来ている。

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