中国のメディア「中新網」によると、先月、湖北省の夜明珠埠頭で、積み荷中の貨物船からこぼれた米を食べた野生のスズメが20羽以上も死んだという。貨物船に積まれていたのは中国東北部で生産された数十トン(150トン以上とのデータもある)の4種類の米で、重慶に向かう途中だったとのこと。

地元当局はこの米を検査したが、翌日に、
「米には何の問題もない」
と発表して、米は重慶に向けて運び出された。政府の専門家は、
「米を食い過ぎたからか、他の場所で食べたものが原因だ」
と死因を分析した。

しかし、この問題と専門家の分析結果が中国で広く話題となり、改めて調査を行うことに。今月初めに政府によりスズメの体内からカルボフランという農薬成分が検出されたと発表されるに至った。このカルボフランは、日本や欧米各国では使用制限されている強力な農薬で、ケニアなどでは家畜を守るために周囲に潜むライオンなどを殺す罠に用いられるほどの劇薬らしい。

政府は問題の米の移動禁止措置と呼び戻し措置をとったが、すでに一部は流通してしまったとの情報も。また、その後の継続調査では、付近のこぼれた米や土壌などからはカルボフランは検出されず、元凶は不明といった報道もされており、中国国内ではこの案件に対する疑念がますます膨らんでいる。日本が輸入する中国産米が弁当や外食産業に利用されているケースを考えると、我々も看過することができない問題だ。

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