これまでに発見された中で、最も大きくて飛行可能な鳥。それは、2500万年前の古代に生きた海鳥「ペラゴルニス・サンデルシ」だ。

1983年にアメリカのサウスカロライナ州で化石で発見されたこの海鳥は、翼長約6~7.5mで、現代に生きる最大級の飛行鳥とされるシロアホウドリの2倍ほどの大きさを持つ。これまで、その体が重すぎる(20~40kgと推定)ため、長くて脆弱な翼では飛べないとされていた。

ところが、最新の分析結果によって、この巨大海鳥は上昇気流に乗る能力に優れ、古代の海の上空をグライダーのように舞いながら、なんと1週間以上も飛び続けることができたらしい。強風で体が宙に浮かぶのを待ち、一旦飛び上がれば数千kmも飛び続けたと考えられる。しかもその飛行速度は、毎秒15mものスピードだったとシミュレーションされている。骨が細すぎて、どうやって着陸できていたのかは不明だ。

この巨大海鳥のくちばしには針状の歯が並んでおり、獲物を突き刺すのに役立ったと考えられているが、そのような「歯を持つ」鳥類はおよそ5500~300万年前に生息し、絶滅した理由は分かっていない。

もしも、この海鳥を蘇らせることができるなら、その飛行姿はどれほど雄大だろう。ロマンはつきない。

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