北朝鮮の拉致問題に関して、不穏なウワサが永田町を駆け巡っている。

「日本が拉致問題を解決しようと、北朝鮮に対する経済制裁を解除したとたん、"食い逃げ"するのでは、と囁かれているんです」(全国紙社会部記者)

この拉致問題、01年に、当時の小泉純一郎首相と北朝鮮トップの金正日総書記が握手。
日朝平壌宣言を発し、事態は大きく進展するかに見えた。

だが、当の金総書記がその後、「解決済み」を宣言。

以来、暗礁に乗り上げていたのだ。「それが、この5月29日に、日本と北朝鮮の両当局者が"拉致問題に関する日朝合意"を突然、発表したんです。内容は、北朝鮮が拉致した可能性のあるすべての日本人を対象に再調査するというものでした」(前同)

日本が認定している拉致被害者17人(うち5人帰国)に、拉致の疑いのある特定失踪者約470人、そして、可能性を排除できない860人などが、初めて俎上(そじょう)に乗せられたのだ。

この合意発表後、安倍晋三首相は「これで全面解決を」と大見得を切ったが、「あの北朝鮮ですから、再調査自体が信用できないうえ、日本が見返りに許可しようとしている"万景峰号入港解禁(入国ビザ・人的往来の解禁)"と、"朝鮮総連本部ビル居座り"が許可されたら、約束を反故にするのではないかとの声が出始めているんです」(超党派拉致議連の国会議員)
競売にかけられた朝鮮総連本部ビル(東京都千代田区)は、すでに民間会社が落札済み。

あとは、朝鮮総連職員のビル退去を待つだけの状態にあった。

「だが、5月29日の拉致問題に関する日朝合意後、この合意に立ち会った北朝鮮ソン・イルホの宋日昊大使が"朝鮮総連本部ビル返還は合意に含まれている"と明言。さらに、朝鮮総連の機関紙に至っては"売却問題の交渉経緯を公開しないという合意が(日朝間で)成立しているようだ"との舞台裏まで暴露したんです」(北朝鮮ウオッチャー)

つまり、ビルが落札者の手に渡らない可能性が出てきたのだ。

安倍政権は売却問題との関わりを否定するが、裏で何か政治的な力が動いているのではないか、と推測する人は多い。前出の北朝鮮ウオッチャーが続ける。「まず、総連中央本部ビル
を買い取った民間会社に、安倍政権が転売先を裏で斡旋。その後、政府が斡旋先と交渉し、今後も朝鮮総連が同ビルを使えるようにする密約ができている、との説まで囁かれています」

これだけではない。北朝鮮は、さらなる要求を日本政府に突きつけたという。

北朝鮮には終戦後、逃げ遅れた日本人の遺骨2万体近くが眠っており、その遺骨返還に当たり1体2万ドル(200万円)、計4億ドル(400億円)を要求。さらに、小泉時代に棚上げにされた経済援助(食糧25万トン= 70億円)の残り半分と、食糧や医薬品など、合わせて40億円近くをも要求しているというのだ。

「北朝鮮側は、見返りに9月の安倍首相訪朝を承認。そこで、数人の拉致被害者を帰すことで、小泉政権時と同様、安倍さんの人気取りに協力する段取りになっているといいます」(前同)

約束など平気で破る北朝鮮。安倍首相が目の前の餌に飛びつき、痛い目に遭わない保証はあるのか!?

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