200万人の捜査員が動員されたが、時効成立!

夏休み特集 世界を震撼させた未解決事件の真相

CASE1 華城事件 1986~91年 韓国

1986年9月15日早朝、韓国南西部の華城市で、娘の家から自宅に帰る途中だった71歳の女性がコツゼンと姿を消した。

4日後の19日、その女性の死体が近くの畑で発見される。下半身は丸裸だった。足はX型に折れ曲がり、腹部に密着していた。死因は絞殺。
これが、その後5年にわたり、韓国中を震え上がらせた連続強姦殺人鬼による最初の犯行だった。

翌10月、25歳の女性が路上で拉致され、殺された。遺体は全裸に剥がれ農業用水路に投げ込まれていた。死因は絞殺だったが、胸はドライバーのような凶器で4カ所刺されていた。

12月になると2人の犠牲者が出る。ひとりは24歳の主婦。自宅から50mしか離れていない田んぼの畦道で、口にガードルとストッキングを詰め込まれ、頭にパンティをかぶせられて殺害。

もうひとりは21歳のOL。農家が道に積み上げていたゴマの束の中から、ブラウスで後ろ手に縛られ、ガードルを頭にかぶせられた遺体で発見された。陰部は、被害者が持っていた傘でメッタ刺しにされていた。

これらの事件は、半径3km以内の狭い範囲に集中発生していた。警察は大量の捜査員を動員して犯人逮捕を目指し、周辺の警備も強化した。

しかし、当局をあざ笑い、挑戦するかのように、凶行は続けられたのだ。
18歳の学生がマフラーで絞殺され、口の中に靴下が詰められた。
29歳の主婦は、夫をバス停まで迎えに行く途中、ブラジャーで絞め殺された。
54歳の主婦は、ブラウスで首を絞められ、陰部に桃のカケラが入れられていた。
14歳の少女はストッキングで両手両足を縛られ、口にブラジャー、陰部にボールペン、フォーク、スプーンを挿入されて殺されていた。

世間には「赤い服を着た女が狙われる」「雨の日に犯行が行なわれる」などのデマが飛び交い、犯人を検挙できない警察に批判が集中した。
焦った警察官が過剰な取調べを行ない、尋問中の男を死なせてしまったりもした。

91年4月3日、69歳の女性が自宅近くで絞め殺され、陰部に靴下が入った死体で発見された。これで被害者は合計9人になった。そしてこの事件を最後に、犯人はピタリと動きを止めた。

警察はメンツをかけ、必死で犯人を追った。目撃証言や遺留品から身長、年齢、血液型、顔の特徴などの大まかな犯人像を割り出し、似顔絵も作成。だが、そこまでだった。

動員された警官・機動隊員延べ200万人。容疑者2万1000人。4万人の指紋を照合し、570人のDNA鑑定を行なった大捜査は実を結ぶことなく、2006年4月2日、最後の事件の時効成立によって終結した。

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