「結婚」「投資」「寸借」「オレオレ」――と、ここまで挙げるとピンと来るはず。共通するのは「詐欺」だ。そんなあくどい手口に、最近は「流出個人情報」が加わった。

国民生活センターのまとめによると、消費生活センターなど公的機関を装った人物から「漏えいした個人情報を削除します」と電話で持ちかけ、現金をだまし取る被害が急増しているとのこと。2012年度以降の被害総額は約2億8800万円。支払額の平均は227万円、最高額は70代女性の3500万円だという。
お金は払わずとも、全国の消費者センターへの相談件数も昨年から急増していて、12年度は281件だったのが、13年度は718件、今年度は7月末までで462件。昨年同期比で318件も増えた。

詐欺の手口は上記の他に、次々と違う人が電話に現れ送金を要求されたり、質問に答えると次々と電話がかかってくることも。カモ認定されたわけだ。
なかには送金させた挙句、
●「個人情報を削除するのにトラブルが発生した。追加でお金が必要」
●「削除の過程で社員が逮捕された。保釈金を払え」
●「登録を削除するのには別の人の個人情報が必要だから、名前と連絡先を教えろ」
など、2次被害を誘うケースもある。複数の業者が役割を分担して騙そうとする「劇場型勧誘」が多くみられるのも特徴といえるだろう。

公的機関が個人情報の削除を目的に電話をすることは絶対にない。そういった電話がかかってきたら、相手をしないですぐに電話を切ること。あるいは、番号非通知や知らない番号の電話には出ない、留守録機能を利用して必要に応じてかけ直すといった対策をお勧めする。
さらに、すぐに消費者センターなどに相談をすること。「自分は引っかからない」と思っていても、家族や身近な人はそうとは限らない。特に高齢者への見守りは徹底しておくことが肝心だ。

折しも、ベネッセの顧客情報流出事件を受け、世間は個人情報の流出に敏感。実際、多くの勧誘に困っている人もいる。これに乗じて今後も被害が増える恐れがあるので、深く注意することだ。

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