好調狙い馬予想 薮中泰人
中間気配抜群エピセアローム



秋競馬が始まる。まず阪神の日曜メインはセントウルS。昨年の勝ち馬、ハクサンムーンが連覇を狙って出走する。

昨年は6月の中京CBC賞から始動。2着のあと新潟アイビスSDを制してここへの参戦。

見事、重賞2連勝でサマースプリントシリーズのチャンピオンに輝いた。それもあのロードカナロアを押さえ込んだ価値ある勝利だった。

今年は3月の高松宮記念以来の出走。ここが昨年とは異なる点だが、夏場に調子が上がるタイプらしく、仕上げ過程は順調だ。

初時計が8月14日の坂路で4F58秒1、ラストの急坂でいきなり1F11秒8の時計が出た。

21日に57秒9、28日に54秒0と4Fタイムを短縮し、特に28日はラスト1Fでまたもや11秒9の速いタイムをマークしている。

馬体も週を追って張りを増し、絶好調だった昨秋並みとはいかないが、期待を裏切った今年3月のオーシャンSよりははるかにいいデキ。いきなり結果を出せる仕上がりだ。

ただし今回は、鞍上が乗りなれた酒井から戸崎に替わる。競馬当日に見せる例の旋回癖など、決して乗り易いタイプとはいえない馬。

その意味では大目標である次走のスプリンターズSへの試走のニュアンスが濃い戦いになるかもしれない。有力ではあるが、昨年ほどの信頼感は抱けない。

頭狙いならエピセアロームだ。前走の北九州記念で7着と期待を裏切ったが、敗因はスタートだ。両サイドが速く、半馬身遅れる形。

これで意図した位置を取れず、向こう正面は12番手。

それも馬群が密集する形で身動きが取れなかった。4角でやっと外目に持ち出し10番手に上昇したが、当時の馬場は内目が残る舞台。

結局、先行馬の前残りを許す結果となった。

それでも差はわずか0秒3差だから悲観すべき内容ではない。夏場に強いタイプで、これまで7月~9月上旬の成績は前走を除けば[3110]。2年前のこのレースの勝ち馬でもある。

今季はCBC賞から使い出して3走目。中間気配もよく、ローテーション的にもフルに力を出せるはずだ。

関東ブロックの秋競馬は引き続き新潟、メインは京成杯オータムHだ。サマーマイルシリーズで現在トップに立つクラレントには有利な新潟開催で、同舞台で制した関屋記念の再現も十分だ。

すでに重賞を5つも勝っている実力馬は左回りマイルが、もちろんベスト舞台。

今回の鞍上は引き続き田辺で、こちらもサマージョッキーシリーズのチャンプを狙っている。

(日刊ゲンダイ大阪記者)

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