「振り込め詐欺」加害者の多くは未成年者!?の画像
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山形県警天童署は8月30日、天童市の70代の老人が700万円をだまし取られた振り込め詐欺事件で、現金を受け取る「受け子」役を務めたとして、少年を補導した。

この少年、事件当時はなんと13歳。先輩の知り合いに「自分が行けないから、ある人から書類を取って来て。お駄賃に○万円あげる」と、犯罪臭いの一切しない、簡単なアルバイトのように依頼されたのだという。

何も知らない少年はスーツとマスク姿で現場に行くようにという指示を忠実に守り、奪った現金には一切触れずに詐欺の胴元に渡していたが、それでも補導の前科がついてしまうのだ。

振り込め詐欺の「受け子」は、被害者から直接現金を受け取る、非常にリスクの高い役。捕まれば、詐欺罪(10年以下の懲役)、犯罪収益移転防止法(通称)、携帯電話不正利用防止法(通称)などの罪に問われるのだが、実際依頼を受けた少年はそんな罪の意識はまったくなかったという。

警視庁の調べによると、今年1月~6月の上半期の20歳未満の男女の犯罪で、顕著に増加したのは、この振り込め詐欺事件絡みの摘発数。

その人数は137人で、前年同期より26人(23.4%)も増加しているとか。年齢別に見ると、15歳が4人、16歳が23人、17歳が32人、18歳が36人、19歳が42人となっている。このうち7割の101人が、振り込め詐欺の「受け子」だった。

少年たちを誘惑する「受け子」アルバイトの勧誘は、上記のような「書類を受け取るだけ」というもののほか、
「○万円払うから君名義の預金口座を作ってくれ」
「君の名義で携帯電話を作ってくれたら○万円払う」
などという種類がある。目先の現金が欲しい少年たちは、なんの疑問もなく「おいしいバイト」として、安易に飛びついてしまうという寸法だ。

振り込め詐欺は、息子、娘を想う「親心」を踏みにじる外道の行為。さらに「簡単で高額なアルバイト」という甘言で知識のない少年たちまで前科者に仕立て上げてしまうのだから、誠に卑劣極まりない犯罪と言わざるを得ない。

コラージュ/関野ひかる

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