今や我々の生活になくてはならないSNS。連絡ツールとして、自己表現の場として活用されているが、時にはトラブルの原因にもなる。もしもSNSにある日、「校舎に横たわる生徒たちの死体」や「憎悪に満ちた論文に飛び散る鮮血」。さらに「もう授業は終わりだな 火を噴く銃口が議論の終わりを告げる」と書かれていたら……? 受け取る側によっては学校に対する犯罪予告に思ってしまうだろう。事実、これをFacebookのウォールに投稿したために逮捕されてしまう事件が起きた。
ケンタッキー州セントラルシティ在住のアメリカ人・ジェームズ エヴァンス氏(31歳)は、EXODUS(エクソダス)というバンドの大ファンだった。このEXODUSは1980年代に活動し、スラッシュメタルというジャンルの確立に貢献。何度かの解散・活動再開を繰り返し、現在も活動中のバンドだ。ジェームズ氏は彼らの「Class Dismissed (A Hate Primer)」という楽曲の歌詞を自身のFacebookのウォールに投稿したのである。ちなみに、曲名は「授業は終わりだ(憎悪入門)」という意味だ。
おそらく、ファンとして純粋に大好きな曲を紹介したかっただけなのだろう。しかし、あまりにも反社会的で過激な曲名と歌詞だったのがマズかった。また、現在、学校内での銃乱射事件が社会問題化しているアメリカという国柄もよくなかった。
アメリカの学校での銃乱射事件といえば、1999年4月に起きた、いわゆる『コロンバイン高校銃乱射事件』(コロラド州)が思い浮かぶ。その後も2012年4月には、カリフォルニア州のオイコス大学銃乱射事件。そして、記憶に新しいところでは2014年6月にコネチカット州で起きたサンディフックし小学校乱射事件など、枚挙にいとまがない。アメリカの学校では週イチで乱射事件が起きていると言われるが、それも納得の件数なのである。
それもあってか、ジェームズ氏の投稿が犯行予告と勘違いされ、発見したユーザーが警察に通報。ジェームズ氏は脅迫容疑で逮捕される事態にまで発展したが、最悪10年以下の禁固刑に処される可能性もあるという。ジェームズ氏は「まさかこんなことになるとは夢にも思わなかった」とうなだれているが、まさに悪夢といったところだろう。


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